STUDENTS'REPORTご助言担当:豊崎(シニア・コンサルタント)
【ポイント4】採用戦略のカギは本選考プロセスの再設計
数年前まで、年間採用戦略の中心を占めていたのは<インターンシップの強化>でした。しかし現在、個別相談における重点テーマは<選考プロセスの再編>に移りました。また毎年の関心事項であった「早期化」に関する議論も、ゼロではないにせよ最重要テーマではなくなった感があります。
27卒シーズンで進み、かつ28卒のカギとなる戦略設計は「誰を」「何段階に分けて」「どういう手法で」選抜するのか、建付け全体の再設計と、それによる競合優位の確保です。
選考手法については、28卒シーズンも「AI採用/AI就活への対応」が論点となりそうです。
ここ1~2カ月「エントリーシートの廃止例」がニュースになっています。元々形骸化が著しかったES選考が「なくても良い(行っても良い)」ものになったことで、選考手法の自由度が大きく上がりました。一方で、「代替する選抜手法」「浮いた金銭コスト・時間コストを何に振り分けるのか」については手探りの部分が大きいようです。併せて、導入の進んでいる「AI面接」についても、評価レベルの妥当性、コストパフォーマンスの検証はこれからの課題と言えるでしょう。
本選考プロセスの再編においては「そもそも先行事例が少ないこと」「最適解が今まで以上に<各社各様>になること」が障壁となります。小手先の議論ではないだけに、早くから情報収集を進めるとともに「数年かけた大再編」を構想する必要があります。
【ポイント5】再度脚光を浴びる「採用ブランド」の虚実
今年に入り「採用ブランド強化」のご相談を受けることがあります。
求人難の恒常化、既存の打ち手の限界などにより、残された突破口として期待が高まっているのかも知れません。
「採用ブランディング」「人気ランキング対策」などは、かつて(10~15年前)採用戦略の最重要テーマだった時期があります。
弊社でも複数年度にわたる強化プロジェクトを企画・伴走してきましたが、そうした経験を踏まえると、目下の環境で「採用ブランド」の強化には不透明な点・新たな障壁が多いと考えています。
・そもそも採用ブランドとは何を指すのか
・どのような要素によって構成されるのか
・学生の間で、どのように形成され、どのように流通しているのか
これらの前提が整理されないままでは、採用ブランドが実際の採用改善にどう寄与するのか判りません。
また以下のような現在の採用市場において、効果的な打ち手を用意できるのかも不透明な部分があります。
・就活生の「企業理解・業界理解」への関心低下・能力低下
・「インターンシップ」以外の初期接点消失
・マーケティング手法の変容(マスからダイレクト・マーケへ)
・企画、設計ベンダーの経験値・ノウハウ消失 など
「採用ブランド」は、本来はとても重要な採用上の「資産」です。重要であるがゆえに、具体策に手を付ける前の「前提整理・要件定義」に注力することをお奨めします。
【最後に】すき間の時間に考える「そもそも論」
先週今週と2回に渡り、今後の採用戦略を考える際の基本前提、有効な打ち手を阻む制約条件に触れてきました。
正直なところ、採用シーズン最中のこの時期はもちろん、戦略設計のピークとなる6~8月期においても、このレベルの「そもそも論」が議論されることは稀です。というよりも、その時期には「大所高所の議論」どころではないのが実情だと思います。
だからこそ逆に、年末年始を機に「先を見据えた頭の体操」に少し時間を割いていただければと思います。
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