<28卒>シーズンに向けて、本選考設計の参考になる記事を過去3回に分けて配信してきました。
・11月13日号 (28卒)戦略策定の手順とコツ
https://www.pivot-inc.co.jp/251113/
・11月20日号 (26卒実績)データで見る3つの選考基本パターン
https://www.pivot-inc.co.jp/251120/
・11月27日号 (27卒速報)主要企業の本選考情報(11月26日時点)
https://www.pivot-inc.co.jp/251127/
今回は、前回取り上げた企業の中でも設計変更が大きく、他社にとっても参考になる2社の事例を読み解きます。
(各社ホームページへ)
・三菱地所(27卒募集要項)
https://fresh.mec.co.jp/recruit/recruit-information.html
・双日(27卒選考スケジュール)
https://www.sojitz.com/jp/recruit/newgraduate/
■解説セミナー・個別相談のご案内
「各記事内容の解説」「自社の選考設計に向けた壁打ち」を行っています。
(ご予約・お申込みはこちら)
https://app.spirinc.com/t/FnSXE-cdZcg0CfAVSpny_/as/h_TM_TW64YFZpDhw-3_NU/confirm
support@pivot-inc.co.jp / 080-3361-8481 (担当:豊崎)
(12月3日時点での公開情報ベース)
【事例1】三菱地所:通常選考の大幅早期化と、参加必須の見極めプログラム導入
▼26卒からの変更点
昨年までの「4月/6月選考」を、「一般選考(第1期/第2期)」へと整理し直し、第1期の選考開始を一気に1月まで前倒しました。
あわせて第1期の選考フローもリニューアル。1次選考をグループディスカッションから面接に変更し、2次面接と最終面接の間に新たに「2daysグループワーク」を挟む点が特徴です。
▼選考早期化と選考プロセス変更の狙い
ポイント1 早期に就活を終える優秀層学生へのリーチ
外資だけでなく日系企業でも、早期選考の内定出しは年内~3月以前が散見されます。1月から選考を走らせることで、優秀学生の「就活終了」前に選考に進んでもらう意図が考えられます。
学生側も、他社内定を保持しつつも「せっかく選考が進んでいるので、ここが終わるまでは就活してみよう」「グループワークでの印象が良かったので(後述)選考を辞退しないでおこう」という心理が働く可能性が高まります。
ポイント2 短期インターンシップの廃止・位置づけ変更
今年、三菱地所は夏・冬の3daysインターンを廃止し、「選考なし・抽選制」のイベントを毎月開催する形式に変更しました。インターンのプログラムに含まれていた「街歩き」「社員座談会」や、用地取得がテーマのワークショップ等を単体のイベントに分割し、すべて面接なしの建付けに刷新されています。採用サイトには「部活・学業などとの両立などに配慮し、誰もが参加できる形にした」と案内されています。
まずは選考なしで気軽に申し込める多様なイベントを通じ、多くの学生に企業理解を深めてもらう。そして選考ステップには「社員との対話やチームでの議論を通じて、価値観やカルチャーをリアルに体感できる」2daysグループワークを取り入れ、マッチング・見極めを行う形です。
書類選考や面接だけでは難しい協働力・コミュニケーション力・主体性などを2daysグループワークという実践的な場で多面的に見極めることが意図だと思われます。
また、2daysグループワークを選考プロセスの中に組み込むことで、短期イベントではなかなか難しいロイヤリティ強化も期待できます。双方のミスマッチを防ぐ意味でも2daysグループワークは対面で4日程用意されています。
「早期接点(1月選考開始)」×「新たな見極め策(2daysグループワーク)」の組み合わせで、ターゲット学生確保に工夫をこらしていると言えます。
【事例2】双日:通年選考を新設。インターン接続型コースと併用
▼26卒からの変更点
「選考時期・入口の複線化」と「選考直結型インターン」の流れをよく表しているのが双日です。
従来の「3月/6月/8月選考」を「インテンシブプログラム選考」に再編した上で、在外留学生や研究等で多忙な学生に向けた「通年選考」を新設しました。
「インテンシブプログラム選考」は、オープン採用の「総合コース」(3ターム)と、事業領域別採用の「本部コース」(1ターム)で構成されています。本選考受験には3日間のプログラム(インターン)参加が必須となっています。なお、昨年の「インテンシブプログラム」は「3月選考」のみでしたが、今年は3月/6月/8月の全タームに拡大しています。
▼採用コースの再編、通年選考導入の狙い
ポイント1 多様なタイミングで動く学生への対応
海外大学に在籍しており帰国時期の調整が難しい学生や、研究に専念していて一斉選考に乗りづらい学生にとっては、「通年選考」のキーワードがあるだけで門戸が開かれている印象を与えます。「8月選考」についても、選考早期化で「夏季(6月以降)」に受けられる企業が減る中、留学後に就活をはじめる学生には魅力的です。
ポイント2 夏季採用にもインターンシップを組み込み。ロイヤリティ強化をはかる
「選考直結型インターン選考」を8月まで徹底して組み込んだ点も特徴的です。
夏季採用の場合、選考開始前には接点を持てないことが多く、ロイヤリティが高まる前に選考が進んでしまいがちです。そこにも3日間のインターンを組み込むことで、理解・共感・関係構築を一気通貫に行うことが可能です。自社にマッチする学生を内定受諾までスムーズにつなげることで、この時期の内定辞退も防ぐことも期待できます。
「すべてインターン経由選考」×「8月までカバーする複数ターム」と「通年選考」を併用することで、就活時期を含め多様な属性の学生に対してリーチができること、またインターン経由の選考を通じてマッチングと自社へのロイヤリティ強化を期待できる構造への変更を行ったことが特徴と言えます。
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