今号では、2月初旬時点で1社以上の内定を持ちつつ就活を継続している就活生4名による座談会をレポートします。
3月を目前に、すでに本選考のピークを迎えている感もある27卒シーズンです。
今年の学生は受験継続/辞退をどのように決めているのか、内定者つなぎ止めのポイントなどのお問い合わせも増えています。
本選考に進んでくれた学生に対し、何に気を付け、どう接すれば辞退リスクが減るのか、細かいケアのヒント集として、ぜひご活用ください。
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■参加者(すべて27卒・仮名)
学生A:(早慶・経済系/メーカー・IT志望)
学生B:(東一・文系/メーカー・IT志望)
学生C:(早慶・国際系/コンサル志望)
学生D:(東一・社会科学系/コンサル内定・事業会社を比較中)
■開催時期 2026年2月初旬
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(1)【選考前半】受け続ける企業はどう決める? -比較できる材料の揃い方がポイントに
編集部「まずは“受け続ける企業”をどう決めるのか、というお話から伺っていこうと思います。皆さん、最初から判断の軸が固まっているわけではないと思うんですが、どのタイミングで、何を見て、辞退せずに続ける企業を絞り込んでいるんでしょうか?」
学生D(コンサル内定)「正直、選考前半の時期だと“軸”って決まってなかったので、選考が進んだ会社を表にして比較してました。仕事内容の解像度、社員の雰囲気、配属の決まり方、条件…このあたりが並べられると、残す会社が自然と見えてくるんですよね」
学生B(メーカー・IT志望)「僕も表は作ってますね。メーカー/ITって職種が広いし、文系だと仕事が見えにくいので、視点はいくつかあるんだけど、結局“配属がどう決まるか”が見えない会社は不安で、優先度が落ちていく」
学生A(メーカー・IT志望)「最初ノリで受けてた会社もあるんですけど、途中からは受け続ける意味があるかどうかを考えるようになりました。課外活動で忙しいと、選考を進めるだけで体力いるので、割く時間に見合うかって現実的に考えてましたね」
学生C(コンサル志望)「コンサル志望だと、どの会社も一見よさそうに見えがちなので、私は逆に“どこが違うか”を決めるために比較します。建前では、案件とか成長環境って言いつつ、実は“人”と“制度”を見てることも多いです」
編集部「比較表の論点で、いま一番“差”が出るのはどこですか?」
学生D(コンサル内定)「私は“配属”と“人”です。配属がブラックボックスだと不安が増えて、勝手にリスクが高いと思えてきます」
学生B(メーカー・IT志望)「同じです。あと“仕事内容の具体性”。抽象的でざっくりした説明ばかりだと、どんな専門性が身につくのかもはっきりしないし、面接でも志望理由を作れなくなるというか」
編集部「なるほど。選考中の取捨選択は自身の“軸”も大きいけれど、“その時点で手元にある材料の揃い方”も大きいということですね」
(2)「あいまいで不誠実」認定された対話は選考辞退の引き金に
編集部「次に、“辞退を考え始めるサイン”について聞かせてください。面接での一言とか、説明会での空気感とか、辞退のきっかけはどんなことが挙げられますか?」
学生A(メーカー・IT志望)「僕は、質問したときに“うまくかわされた感”があると一気に冷めます。例えば働き方とか、配属とか、ちょっと踏み込んだ話をしたいのに、キラキラした話に戻されると、『結局どうなん?』ってなります」
学生B(メーカー・IT志望)「その感覚めっちゃ分かる。自分は慎重派だからこそ、分からないまま進むのが怖い。だから“それにはちょっと答えられない”が続くと、リスク回避で選考を離脱しちゃいますね」
学生C(コンサル志望))「逆に、悪い話も含めてきちんと説明してくれる会社は残ります。忙しさとか、求める水準とか、厳しいことも言ってくれると、覚悟ができる」
学生D(コンサル内定)「比較している段階だと、“不安が残る会社”は静かに落ちます。悪気がないのは分かるけど、情報が薄いと、こちらも根拠が作れないので」
編集部「なるほど。“ごまかしてない感”は具体的にどんな対応で感じます?」
学生B(メーカー・IT志望)「“どう決まるか”を話してくれること。例えば、配属が全部確約じゃなくても、決め方のプロセスを言ってくれると安心します」
学生A(メーカー・IT志望)「あと、聞きにくい質問をしたときにも『いい質問です』って空気を作ってくれると、信頼できます」
編集部「つまり、選考を受け続ける/やめるの分岐点は、“誠実な対話が成立したか”にもよる、ということなんですね」
(3)「スピード感のある選考」と「適切な情報提供」が受験継続の背中を押す
編集部「選考が進んでいくスピード感って、受け続ける判断にどのくらい影響しますか?」
学生C(コンサル志望)「ものすごく影響します! 速いと“とりあえず受ける”が成立するけど、遅いと“後回しでもいいか”で結局埋もれてしまいます」
学生D(コンサル内定)「それは内定を持ってる人ほど顕著ですね。比較対象が複数ある状態で案内が遅いと、“この会社は後でいいか”と優先度が落ちる。自然にそうなる感じです」
学生A(メーカー・IT志望)「サークルも授業もあって、就活だけに集中できないから、サクサク進んでくれないと“受け続けるモチベ”が続かないんですよね」
学生B(メーカー・IT志望)「待ってる時間が一番ストレスなんですよね。結果待ちが長いと、冷静になりすぎて補欠なのかもとか勘ぐりだして、モチベーションが下がることもあります」
編集部「とはいえ選考スピードが速ければ何でもいい、ではない?」
学生B(メーカー・IT志望)「そうですね。スピードが速くても不安が残ったままだと意味がない。次の面接までの“テンポの良さ”と、面接用の判断材料が揃うことがセット」
学生D(コンサル内定)「スピード感のある選考プロセスの中でも、途中に企業理解を深めるプログラムがあるとありがたいです。座談会とか、社員面談とか」
編集部「まとめると、選考スピードやテンポの良さは、“選考継続の優先順位”を決める重要な要素なんですね。ただそれだけではなく、面接を進めるための判断材料が提供されることも大きい」
(4)【選考終盤】最後の一押しは「この人になら相談できる」社員がいるか
編集部「選考も終盤に差し掛かって、この会社でいいのか迷ったとき、何が最後の一押しになりますか?」
学生D(コンサル内定)「私は“この人に聞けばきちんとした事実が返ってくる”って相手がいるかですね。結局、迷うのって不確実性が残るからで、それを払しょくしてくれる人がいる会社は残ります」
学生A(メーカー・IT志望)「分かる。質問しづらいことも聞ける人がいると、受け続けようと気持ちが戻ります。逆に、窓口が毎回変わって、しかも浅い話しか聞けないと、比較の中で埋もれますね」
学生C(コンサル志望)「コンサルだと社員面談の質が高い傾向にあって。表面的な魅力じゃなくて、“自分が何に悩むタイプか”まで理解して話してくれる人がいると、納得も作れる」
学生B(メーカー・IT志望)「僕は“入社後の処遇の決まり方”を説明してくれる人が重要です。配属や評価の話って、曖昧にされると怖いので」
編集部「つまり、選考終盤では、入社後のキャリアなども含めて“悩みや不安に付き合い、納得させてくれる伴走者”の存在が大きいということですね」
(5)【内定後】内定者コミュニティだけではない不安や疑問を解消できる場が欲しい
編集部「内定後に“気持ちが揺れた”経験ってありますか?」
学生C(コンサル志望)「懇親会で会った内定者の雰囲気は大きいと思います。話してみて『合わないかも』って思うと、会社説明よりそっちが刺さってしまう」
学生D(コンサル内定)「人の空気感って、入社後の毎日を想像させるから影響が大きい。しかも一回違和感が出ると、自分の中で勝手にリスクが膨らむ」
学生A(メーカー・IT志望)「あと内定者の間で広まっている、“風の噂”が意外と効きますね。部署で給与体系が違うとか、働き方が思ったよりハードとか、真偽が分からない情報でもずっと引っかかったり」
学生B(メーカー・IT志望)「そのときに、社員面談とかで踏み込んで質問できる相手がいて、ちゃんと事実を話してくれると安心するんですよね。逆にあいまいにされたり、答えてもらえないことが続くと、内定承諾するかも怖くなる」
編集部「学生間で広まった噂って、企業側がコントロールできない部分もありますよね」
学生C(コンサル志望)「だからこそ“正す場”が必要だと思うんですよね。交流だけじゃなくて、疑問を潰す情報の場があるかが分かれ目じゃないかなと」
編集部「内定承諾のためには、“盛り上げ”より“疑問解消につながる設計”が欲しいということですね」
(6)【内定後】囲い込みは逆効果。「他社と比較していい」で信頼感が増すことも
編集部「内定後フォローで、逆に“気持ちが冷める”のはどんな時でしょうか?」
学生D(コンサル内定)「『他社は受けないで』みたいに囲い込みが強いと、急に冷静になります。比較したい時期に圧がかかると、不信感につながりやすい気がします」
学生C(コンサル志望)「私も同じ。余裕がないのかなって思って、むしろ離れたくなることもあります」
学生B(メーカー・IT志望)「逆に『色々見てきていいよ。そのうえで納得して決めて』って言われると、親身になってくれている感じがして誠実さを感じます。そういう会社って情報の出し方も丁寧なことが多い」
学生A(メーカー・IT志望)「囲い込みで押し切られると、納得して決めた感覚がないから、後から揺れそうで嫌なんですよね」
編集部「“比較を許容する”って、企業にとっては勇気が要りそうですが…」
学生D(コンサル内定)「でも、その一言で“信頼できる会社”に格上げされる可能性は結構あると思いますけどね」
編集部「まとめると、意思決定を“相手に任せる誠実さ”が効く、ですね。圧をかけるのは逆効果で、判断材料と対話の場を揃えることが結果的に良い方向に作用する、と。本日はありがとうございました」
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