#コミュニケーション戦略 #スカウト企画 #イベント企画 #採用ピッチ
先週号で、採用モデルの変化により「志望動機」を核とする採用コミュニケーションが壊れつつあることを指摘しました。
→採用モデルの変化について(先週のWeekly Report)はこちらから
「なぜこの会社に入るのか」「入社後何をやりたいのか」―志望動機は、入社後の定着にもかかわる【応募者と企業の本質的なマッチング軸】です。
今号では【採用活動の中で、志望動機を深め・育成する具体的な方法】を検討します。
◆目次◆
企業から学生に「志望軸の作り方」「志望軸候補そのもの」をインストール
自前の「レコメンド」で正しい論点を明示する
(1)スカウトやDMを用いて
(2)採用ピッチ(企業説明PPT)を用いて
イベントやメンターで「自己分析・企業研究の方法論」を共有する
(1)自己分析のサポート
(2)企業研究のサポート
【取組みのスタンス】
企業から学生に「志望軸の作り方」「志望軸候補そのもの」をインストール
前提として、学生の言語化を傍から見守るのではなく【一歩踏み込んでこちらから動機をインストールする】スタンスが重要です。
つまり、企業側がまず「志望動機の構成要素と構造、望ましい作り方、評価軸」などを定義した上で、学生の理解を支援もするということです。
企業情報などの材料を提供すれば学生がツボを押さえて動機にまとめてくれることは、もう期待できません。
「マッチング軸の本質的な論点・方法論」を採用活動の中でストレートに伝えていくことが求められます。
【打ち手アイディア1】
自前の「レコメンド」で正しい論点を明示する
(1)スカウトやDMを用いて
流布しているインスタントな志望軸(どの会社にも使える、受験対策としての軸)に対抗するため、「わが社の志望動機に関わる本質的な論点をレコメンドする」方法は有効だと思います。
レコメンドする媒体も、自社単独のスカウトやDMなどが望ましいでしょう。
スカウトやDMは、1on1もしくはターゲット別のプッシュ型施策です。
「私たちはこういう理由であなたを求める」「こういう特性の人がこういう活躍・仕事をしてくれることを期待する」というメッセージを伝えるのに適しています。
(2)採用ピッチ(企業説明PPT)を用いて
学生に活用してもらいたい主要な情報は、全て採用サイトに掲載されていると思います。
しかし、採用サイトは「本人が見たい情報を見たい順番に見る」もの。「見に来てもらえるかどうか」も判りません。
「見せたい情報を」「理解してもらいたい枠組みで」伝えることができるのは採用ピッチ(企業説明PPT)を用いたトークです。
採用ピッチは「ビジョンと戦略のサマリーを魅力的に伝える」のに適しています。
ビジョンと戦略とは、ミッションを具体的な企業活動として具体化したストーリーです。
優れた採用ピッチは、企業理解の羅針盤になります。
ちなみに、弊社も会員企業様の「採用ピッチ」を企画・制作することがあります。その際に最も重視する資料は「個人投資家向け説明会PPT」です。
「プロではない個人にも分かりやすく/ビジョンと戦略のサマリーを/ポジティブかつコンパクトに説明」するために作られており、学生向けPPTと制作要件がよく似ています。
【打ち手アイディア2】
イベントやメンターで「自己分析・企業研究の方法論」を共有する
自社の採用イベントで「自己分析の方法」「企業研究の方法」を教えるワークショップなどを行う方法があります。
客寄せ的な就活応援イベントにするのではなく、「自社と応募者の考え方の共有・共通化」を目的として行います。
→事例:JT、ニトリ、ソフトバンク
組織的に内定者/メンター/リクルーターを運用している場合は、イベントではなく1on1でこれを行うことも可能です。
(1)自己分析のサポート
「タイパ重視でガクチカや志望動機の正解探し」をする学生は少なくありません。
その結果、終盤になっても自分を形作ってきたもの/興味・関心のありかが掴めず、一転、「深遠な心理分析による自分探し」という袋小路にはまる学生が後を絶ちません。
必要なのは、まず「自分の経験と価値観」を結び、次に「自分の価値観と仕事を結ぶ」という現実的な自己分析アプローチです。
また自己分析の方法が「自社固有の手法」である必要はありません。
信頼できるスタンダードな方法論としては、
「ライフラインチャート(自分史づくりの前段作業としても有効)」
「キャリアアンカー(※)」などがおススメです。
→参考書の紹介(Amazonサイトへ飛びます):キャリアアンカー
(※)MITのエドガー・H.シャイン教授が提唱。個人が自らのキャリアを形成する際、最も大切で譲ることのできない価値観や欲求のこと。
(2)企業研究のサポート
大手企業は「複数の事業/幅広い職種」を備えていることが殆どです。
これを1つずつ積み上げ型で研究すると混乱し、理解に辿り着けません。
企業の魅力を深く理解できている学生に共通するのは、就活の初期段階で「全体観を掴む方法論」もしくは「全体観が書かれた資料(中期経営計画など)」にあたれていること。
メーカーなど、職種が多い業界の場合は「バリューチェーン」を軸にしたフレームワークで企業研究を促すことがおススメです。
商社など、事業が多い(主軸となる職種はシンプル)業界の場合は、「PEST×3C×SWOT」を軸にしたフレームワークがよいでしょう。
【おわりに】
「志望動機の育成」とは別の言い方をすると、企業側の働きかけにより
1.主体的な興味・関心の立ち上がり
2.十分な企業研究と魅力理解
を促す取組みです。
ゆるく・散漫に流れる現代的な採用フェーズに乗って行くと、企業は「内定クロージングの長引き・内定辞退」「入社後のミスマッチ」などの不利益を被り続けます。
目下の就活生に「昔ながらの主体性」を期待できないのであれば、立ち上がり段階で多少の支援(余計なお世話?)をしてでも、「志望動機」の深化を図るべきではないでしょうか。
【本資料に関するお問合せ】STUDENTSʼREPORT編集部support@pivot-inc.co.jp|050-3649-7671
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