SR編集部では、弊社の学生レビュアー(26卒)に対し、「10月の内定式」「内定前後のフォロー」に関する調査を行いました。
今回は、そのうち業界大手12社の内定式の概要と評価、本選考終盤~内定前後のフォローに対する意見をご紹介します。
<調査目的>
・各社の内定式実施動向及び学生の評価
・内定前後のフォローに対する学生の評価
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<内定式の実施動向と学生評価>
▼拘束時間よりも、スムーズな進行と時間通りの終了が好感される
対面開催では「内定者が一堂に会して雰囲気が知れた」「内定者と交流できた」との評価が多かった一方、「人数が多すぎてうまく交流できなかった」との声も聞かれました。
オンライン開催の場合、内定者や社員との交流がなく、「対面開催の会社が羨ましい」という意見と、短時間で終了して楽という意見に分かれました。
内定式の時間は、拘束時間よりも、プログラムが円滑に進み、時間通りに終わったことを評価する声が多く見受けられました。
▼プログラムに対しては「社員との交流不足」を指摘する声も
内定者同士の交流に対しては、十分な時間が充てられていたとポジティブな意見が多数見受けられました。
社員との交流への評価は企業によりさまざまでした。商社Aでは、各部門の社員に学生が順番に話を聞きに行ける形になっていたり、自分を担当した面接官と話ができる機会が設定されており、高く評価されています。一方、商社Cでは座談会形式でフランクに話せなかったとの意見が見られました。外資系企業で見られる懇親会やディナーに現場社員もラフに参加するスタイルは、学生が内定先に対してより具体的なイメージを持つ上で有効かもしれません。
▼内定式を行わない企業も
日系メーカーEは今年内定式を開催していませんが、内定者からは「メールでも良いので、入社前後の流れを通知して欲しかった」との声があがっています。内定式を実施しなかったことに対する否定的な意見は見られませんが、早めに今後の予定や入社前の準備事項など、最低限の説明を行う必要がありそうです。
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<内定辞退連絡のタイミング>
▼8~9月まで辞退を言い出せない学生はいまや珍しくない
「周囲の就活生で、内定辞退の連絡をせず内定を所持している人がいた時期」について尋ねたところ、内々定からかなり日数が経った8~9月でも、決断できない/辞退を言い出せない学生が相当数いることが分かりました。少数ながら、10月(現在)まで連絡をしていない学生もいるようです。
この結果から、内々定後の打ち手が自社への入社意思をかためてもらうために非常に重要となることが読み取れます。
以下では、どのような施策が学生に求められているのかを時期別に解説していきます。
内々定まで/内々定~5/31まで/6/1~内定式(10月)までの3つの時期別に、実施された施策と評価、満足度(10点満点で評価)を回答してもらいました。
<内定前後のフォロー施策に対する学生の評価>
▼内々定まで
社員面談や社員訪問ができたことを評価する声が一定見受けられました。また、「この期間にOB・OG訪問が出来ると良かった」という意見もあり、内々定前に社員と接触できる機会を設ける/増やすことは、学生ニーズにかなった施策と言えるでしょう。
内々定までに打てる施策は比較的限られますが、社員との交流や接触を求める意見が全体的に多い印象です。交流機会を増やすことは、学生側の選考準備のためだけでなく、学生の志望度を高める意味で企業側にも有効と考えられます。
▼内々定~5/31まで
この期間の最多施策は「社員との面談・社員訪問」(7社/12社)、次いで「内定者との懇親会・交流会」(6社/12社)でした。
業界ごとに施策の特徴を見てみると、以下のようになります。
○商社
3社とも「社員との面談・社員訪問」、「内定者との懇親会・交流会」を実施。
○金融
金融Aでは施策の実施なし。
○メーカー
業界別の平均満足度はメーカーが最下位。
「内定者との懇親会・交流会」を実施した企業は、内定式未実施のメーカーEのみ。
○サービス
サービスC・Dは「社員との面談・社員訪問」、「入社前の研修・資格取得支援」、「内定者との懇親会・交流会」をすべて実施。
2社とも学生の満足度が非常に高い(満点)。
学生の満足度から、「社員との面談・社員訪問」と「内定者との懇親会・交流会」のどちらか、または両方を実施すると高評価を得ることが分かります。
一方、不満として多くあがったのは「懇親会を開催して欲しかった」「懇親会の数を増やして欲しかった」という点でした。このことから特に内定者同士の交流を深める十分な機会を設けることが重要と考えられます。
また、金融Aの内定者からは、「大学別の懇親会」を求める意見が寄せられました。内定者数が多い企業では、懇親会の実施スタイルにも工夫が必要です。
▼6/1~内定式(10月)まで
「内々定時まで」「内々定~5/31まで」の時期と比較して、全体的に満足度平均点が低く、最も改善の余地がある期間だと言えます。
この期間に「内定者との懇親会・交流会」を実施した企業は非常に多く、金融A、メーカーB、メーカーE以外は懇親会を実施しています。懇親会関連で学生があげた不満点としては、「オープン選考の学生向けの施策が増えていて、配属が決まっている学生向けの施策がなくなった」「今まで懇親会に参加したことがない人しか参加できない仕様になっていた」などがありました。
どうしたら満足度をあげられるのか尋ねたところ、「内々定~5/31まで」と若干異なり、内定者との交流だけではなく、「社員との接触機会を増やして欲しい」、「配属についての情報」を求める声が散見されました。
6月以降は、複数内定者が入社先を本格的に絞り込むことに加え、秋冬以降の配属面談を見据える学生も増えます。内定者の交流より、配属先を決めるための情報や、配属確約されている学生は実際の配属先の社員との交流などを望むのが自然と思われます。
6月以降は、学生が入社後の具体的な業務やキャリア、働くイメージを持つ手助けとなるような施策を打ち出すことが必要となるでしょう。
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