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【25卒】インターン選考「書類選考」の実施傾向と工夫


 25卒採用と並行して26卒採用、特にインターンシップの設計に着手する時期かと思います。本選考との連動傾向が強まった結果、インターンに誰を呼ぶか(適性・能力)の設計は、「本選考の母集団構成」に大きく影響します。
今回では特に、応募者全体に評価の網をかけられる「書類選考」の傾向と工夫を概観します。

 

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▼「筆記・適性検査」の傾向と工夫

選考を行うインターンシップの多くは「筆記・適性検査」を課すことになります。25卒シーズンのインターン選考では、以下のような傾向がみられました。

<対面(会場実施)型試験への回帰>
コロナ禍で難しくなっていた「会場実施」方式への回帰が強まっています。
「WEBテスト(在宅実施)」では不正受検などの懸念が残ること、以前は「テストセンター」「自社会場」が一般的であったことから、本来の姿に戻ったとも言えます。

25卒シーズンのインターン選考では以下のような企業が「テストセンター受検」を課していました。
三菱商事、三井物産、住友商事、豊田通商、伊藤忠丸紅鉄鋼、三井住友海上、東レ、川崎重工、清水建設、日立製作所、キーエンス、モルガン・スタンレー、ボストンコンサルティンググループ、アビームコンサルティング、博報堂、東急不動産、商船三井、NTTドコモ、野村総研など

※テストセンター方式であっても学生都合等により「不正監視型」での在宅受検は可能です


▼「デザイン思考」「論理思考」テスト

クリエイティブ職(広告)、コンサル、SIerなどの専門職で重視されてきた「デザイン思考」「論理思考」について、総合職でのテスト実施も増えてきました。

デザイン思考については、VISITS Technologies社が提供するテスト商品がよく知られています(デザイン思考テスト:https://design-thinking-test.com )。
大手企業では「住友商事」が比較的早くから導入しており、その後も実施企業が徐々に増えています。
包括的な調査ではありませんが、例えば以下のような企業がインターン選考に「デザイン思考テスト」を課しています。
住友商事、アサヒビール、サッポロビール、NTTデータ、JICA、三井住友信託銀行など

「論理思考」については、玉手箱やCABのようなテスト商品にも測定項目があり、これらを利用する企業も多いかと思います。
25卒学生からは、金融(銀行・信託)系企業で「一般的な総合職インターンで(SPI等とは異なる)独自の『IT能力適性検査』を課された」などの声も寄せられています。

応募者に馴染みがないテストを使うことで、対策の効かない「素の力」を測る意図もありそうです。



▼エントリーシート(ES)を課さない選考

選考課題から「エントリーシート」を外す企業も一定数存在します。
インターン選考の段階では「ガクチカ」などの回答が練れておらず、学生評価の指標になりにくいことや、「ES作成」がハードルとなり、応募控えを生みかねないことなどが背景にあります。
ESを省いた場合の選考にはいくつかパターンがありますが、主には「自己PR要素をすべて排除する」「PR動画などの代替手法を用いる(※)」ケースが多いようです。
※PR動画の方がハードルが高いと感じる学生もいます

(1)住友商事
「Sumisho Summer Internship/ Sumisho Winter Internship」
選考フロー:テストセンター+自己PR動画(任意)→予選会
「Sumisho Autumn Internship ~Design Thinking Program~」
選考フロー:デザイン思考テスト+自己PR動画(任意)→予選会+テストセンター

 

・両プログラムともエントリーシート不要
・「予選会」では2時間程度のグループディスカッションを課す

※住友商事は本選考時のESも不要(OPEN選考)

(2)ネスレ日本
「ネスレチャレンジプログラム」
選考フロー:「8日間の課題提出」(ケース作文に類似)→マッチングセッション(1対1の面談等)

 

・ネスレパスコース(採用直結インターン)の一部
・プログラム参加後、面談を経て「ネスレアソシエイト」に認定(=内定)
※パスコースには1年次からエントリー可能。落選者の再受験もOK
※アソシエイト認定後は社員向け同等の自己啓発・支援メニューを利用できる
https://www.nestle.co.jp/jobs/students-graduates/nestle-pass

 (3)JCB
「3daysインターンシップ」
選考フロー:Web適性検査→グループディスカッション→面接

※説明会等で採用担当から以下の趣旨を説明
「ESの数百字で判断するのではなく、グループディスカッションや面接を通して学生一人ひとりの考え方を知り、会社とのマッチングをはかります」

 (4)アサヒ飲料
「事務系経営体験インターンシップ」
選考フロー:コース選択→Web適性検査+エントリー動画 など



インターンシップ時の選考設計では「応募の窓口を広げ、潜在的な志望層を増やすこと」本選考にも使える評価情報を収集しておくこと」の2点を考慮する必要があります。
両者はときに相反しますが、自社ではどういった配分を目指すのか、募集要項に落とし込む前のこの時期、検討しておくことをお勧めします。

 


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