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【2月の採用市場ウォッチポイント】


プロフィール情報の有効活用で学生タイプを見きわめる

株式会社ピボット 代表取締役/ブランドコンサルタント ⻄山亜矢子


 

「ガクチカでは学生の優劣判定が難しい」というお悩みをお聞きします。

就活サイトで通過済みESのダウンロードが普通になり、志望動機のコピペがたやすくなっています。

またコロナ禍で学生時代の活動が狭まり、強いガクチカ体験を持てなくなった事も影響しています。

 

コロナ禍就活のESでは見えてこない学生像を「プロフィール情報を使って浮かび上がらせる」ヒントをお伝えします。

 

 

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▼「ゼミや専攻内容」によるスクリーニング

 

昔から、「法学部・経済学部を優先」「入学偏差値で選別」などの方法は広く行われていましたが、学生の志向を見極めるためには、学科やゼミ・専攻のレベルまで見る必要があります。

 

 

(1)スキルとフットワークが特徴の「実学系」

 

・活発に企業分析のグループワークをさせるゼミ(会計・経営・商学系の有名ゼミに多い)

・企業とのコラボワークが多いゼミ(マーケ系の有名ゼミに多い)

・先生が民間(外資系金融、外資コンサルなど)出身(金融・金融工学系の少数精鋭ゼミに多い) など

 

業界・職種に対応したスペシャリティを持った学生を探すことが可能です。

多くは「脳に汗をかく泥臭さ」を備えており、ポテンシャル採用の対象としても非常に魅力ある学生がいます。

 

 

(2)視座が高い/社会課題に関心が高い「公益系」

 

・「公共経済」「開発経済」「国際関係・国際政治学」などの学科

・旧帝大の社会学部系学科全般 など

 

“お金よりも使命”“特定の誰かの利益よりも社会や世界の利益”と考える「ビッグプロジェクトや事業リーダー候補」学生を探せます。

多くは、政府系金融や官公庁・国際機関などを併願しており、確保はやや困難です。

 

 

(3)理由は分からないが「自社と相性がよい学生」

 

・過去に何人も入社者を輩出している学科・ゼミ・専攻

 

たまたま(上下の)繋がりがあっただけではありません。多くの場合、説明可能な「相性のよい理由」があります。

(同じことは、内定辞退者がつづく場合にも言えます)

過去の情報からそのような学科・ゼミ・専攻を洗い出しておくと、ダイレクトリクルーティングなどを行う際にも便利です。

 

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 ▼「部活の名門度」によるスクリーニング

 

各大学で「伝統のある・名門とされる部活」には、総合力の高い学生が多く所属しています。

 

ボート部 (海軍由来の)長い伝統を持つことが多いです。半世紀以上にわたり人材を輩出し、ロールモデルとなる先輩が多いことも優位に働いています。

 

社交ダンス部室内管弦楽・オーケストラなど チームワークゴール(発表会など)に向けた厳しい練習など、体育会同様に鍛えられる機会の多い部活です。

 

アメフト部ラクロス部など 広い視野や戦略理解、指示能力が求められる頭脳戦の部活は、「文武両道」を自認する(あるいは志向する)学生が所属しています。

 

大学公認の「部活」がおススメですが、「名門私学・創立数十年の大規模テニスサークル」なども、匹敵する存在と見てよいと思います。

 

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▼「インターンシップ参加歴(併願先)」によるスクリーニング

 

他社の選考を経ていることから、学生見きわめの参考にされることが多いインターン参加歴。

 

インターンの難易度だけでなく、「参加企業の組み合わせ(併願)」に注目することで、学生の志向性や志望の軸を読み解くこともできます。

 

<読み解きの例>

・「資生堂/P&G/USJ」を併願

→マーケティング職(配属確約)での就職を希望。マーケティング要素の弱い企業、ジョブローテーション型の企業は最終的に辞退されがち

 

・「電通/EC系ベンチャー/アクセンチュア」を併願

→「DX」「デジタルマーケティング」など旬の動きに敏感。事業会社側、外部コンサル側など、どのポジションで関わるのが魅力的か探索している

 

・「東京海上日動/ニトリ/JTB」を併願

→自分の関心テーマではなく、学生人気の高いインターンを選択。良くも悪くも就活情報に詳しいタイプ

 

・「JICAなど公的機関/エムスリー/政府系金融」

→「何か社会に良いこと」という軸で企業探索を開始。スタート時点では、ビジネス感覚に疎いことも。

 

「自社の受験者によく見かける併願」については、上記のように対応する志向性・志望軸まで言語化しておくことで、スクリーニングに活かすことができます。また

「馴染みのない併願パターン」の学生に対しては、評価の目線や口説きポイントを変えて対応する事も重要です。

 

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▼ファクト情報を組合わせればペルソナに迫れる

 

ここまで挙げてきたプロフィール情報は、組合わせることによって「かなり具体的な人物像(ペルソナ)」を描くことも可能になります。

人物像が描ければ、より一層、スクリーニングに用いやすくなるのではないでしょうか。

 

就活生を30年以上観察していますが、たとえ万単位のES応募者がいたとしても、自社を志望する学生タイプには、実はそれほど多くのバリエーションはありませんし、経年変化も大きくはありません。

 

 

Webテストや作文での評価に限界を感じている方は、「プロフィールのファクトによるスクリーニング」を参考指標としてお使いになってみることをおすすめします。

 


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