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【1月の採用市場ウォッチポイント】


22卒の傾向から予測する「23卒の内定時期」

株式会社ピボット 代表取締役/ブランドコンサルタント ⻄山亜矢子


 

例年の傾向として、大手企業の内定時期は「前年比プラスマイナス2週間前後」に着地します。

したがって、「前年の内定時期の傾向がどうであったか」を見ることで、おおよそ今年の内定時期を推測することができます。

 

以下、「2月以降にも内定出しを行った主要企業63社101コース」の内定時期の傾向を紹介します。

 

※選考ステップの呼称に囚われず、SR編集部判断で「実質的な合否判断をしたと思われる選考ステップ」を内定出し時期として扱いました。

※集計はコース単位で行っています。

 

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▼月別で見た傾向「最多は5月の内定出し」

 

最多は5月の32.7%、次いで4月が26.7%です。

一件、6月も多く見えますが、商社・デベロッパー・政府系金融を除いて集計すると8.9%となり、大多数の業界で6月より前に内定出しが終了しています。

 

2月 3%

3月 12.9%

4月 26.7%

5月 32.7%

6月 24.8%(商社・デベ・政府系金融を除くと8.9%)

 

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▼3~5月を上・中・下旬単位で見た傾向「最多は4月下旬の内定出し」

 

最多は4月下旬の14.9%、次いで5月中旬・下旬が各13.9%です。

 

業界別に見た場合、メーカーと政府系金融は4月下旬の内定出しが多く、民間金融各社は時期が分散しています。

 

接点別に見た場合、インターンを中心とした早期接点枠では、4月中・下旬内定出しの比率が高くなります。

 

3月上旬 4%

3月中旬 5%

3月下旬 4%

4月上旬 6%

4月中旬 5%

4月下旬 14.9%

5月上旬 5%

5月中旬 13.9%

5月下旬 13.9%

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▼23卒の見通しとその観点

 

内定出しは、早く行えば有利になるというわけではありません。

「どの競争相手(企業・業界)に対抗するか」によって、日程設計の戦略は変わります。

 

(1)~3月末までの内定出しを行う企業は限定的

 

外資系企業の内定出しに対抗しようとした場合、可能であれば2月、最遅で3月中の内定出しが必須です。

 

外資系企業と真正面から人を取り合おうとする企業は多くないため、2~3月の内定出しが激増することは考えにくいと言えます。

 

外資系企業と総当たりする総合商社、デジタル人材を総合コンサルと取り合うIT系企業や事業会社のデジタル人材採用コースでは、この時期の採用が増える可能性があります。

 

 

(2)4月はインターン経由の優秀層をメーカーで争奪戦か

 

現在は、4月下旬の内定出しが多数ですが、外資メーカーや総合コンサルとマーケティング人材を取り合う消費財メーカーでは、内定出しの時期がやや早まるかもしれません。

 

また、メーカー志望度の高い学生ほど、4月は面接日程が競合する可能性が高いと思われます。

この時期の他社の受験状況の把握と丁寧な選考・内定フォローが必須です。

 

 

(3)商社・デベロッパーとどう戦うか、時期選択の難しい5月内定

 

先んじて内定を出しても、志望者は商社とデベロッパーの受験を続けるケースが多数です。

 

長期間の内定フォローを嫌うならば5月の内定出しがセオリーですが、近年、商社・デベロッパーの選考・内定出しがジリジリと前倒し傾向であるため、時期の選択が難しくなっています。

 

現時点では「大きな前倒しは起こらず、5月中旬の立て込みと5月下旬の争奪戦が激化」というシナリオ予想です。

 

ゴールデンウィークを挟むため、思い切った前倒しをしようとすると4月に内定出しをすることになり、その場合はES締切の日程が大きく前倒しされるでしょう。

 

そういう意味で、5月が主戦場の企業のES締切は注視しています。

 


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