1.<就活生ジャーニー>の重要性 (前回記事)
前回のSRウィークリーレポート(8/7号)では、<就活行動の遷移(ジャーニー)>を見える化する重要性、作成時のポイントを指摘しました。
ジャーニー作成に欠かせないポイントは以下のとおりです。
1)分析対象(ここでは就活生)の行動を適切な長さのフェーズに分解する
2)フェーズごとに、「企業との接点」「具体的な就活行動」「感情の変化(好感/離反)」を列挙
3)「接点/行動/感情」の代表的な組み合わせを、いくつかの「判りやすいストーリー」にまとめる
2.<就活生ジャーニー>のバックデータ 26卒生の生声:グループインタビューから
今週は、就活行動の各フェーズで26卒学生がどのような感情を持ったか、好感ポイント/離反ポイントの実例を列挙します。
弊社が「就活生ジャーニー」を作成する際に、実際に行ったグループインタビューに基づきます。ジャーニー作成の参考例としてご覧ください。
フェーズ1: 志望企業の探索 (※採用ホームページに絞って言及)
▼好感ポイント : 刺さるコンテンツ
【+】 短時間で要点が掴める速習系の記事
【+】 “人の顔”が見える一次情報
(コメント例)
「『数字で見る〇〇』 『3分でわかる〇〇』みたいにコンパクト化された企業説明コンテンツは好き。キーワードで会社概要が頭に入ってくる」
「“社員にアピれる”ネタ探し目的が強いので…一番役立ったのは社員インタビュー」
「採用HPで強く推されているプロジェクト=今、会社が推している事業だと思っていて…プロジェクト事例はチェックしていました」
「人事の顔が分かるコンテンツも好きですね。『HPで見た人だ!』って…テンション上がります(笑)」
▼離反ポイント : 読む気を無くす演出
【-】モーション/動画など“動く演出”が邪魔
【-】比較のしづらさ・導線不全
(コメント例)
「トップページなどで画像が動く演出(モーション)、全く必要ないです!…イメージアップどころか一時的にマイナス」
「モーションは邪魔。就活生は素早く情報に辿り着けるようにしてほしい」
「個社の採用HPを見てもユニークネスや特徴は分からない。それは他社と比較することで初めて分かるので」
「ページ冒頭に目次を付けるなど構造を分かりやすくしてほしい」
フェーズ2:応募絞込み(検討・選択①/IS後の深掘り・OBG訪問)
▼好感ポイント : エンゲージの継続・向上
【+】 迷いに寄り添う“個別対話の継続”
【+】 “現場のリアル”に触れる体験機会
(コメント例)
「A商社…B社と迷った末にA社に決めた社員との1on1面談を複数回。現場社員+人事+メンターが一緒に和やかに会話」
「Cコンサル…同じ大学出身の社員が専属サポーターとしてついてくれた…誠実に寄り添ってくれて安心」
「金融D社…外資からD社に転職した役員クラスの方との1on1を、1月まで毎月。大切にされている感じがして印象アップ」
「E総研…大学OGや人事社員をアサインしてくれて、丁寧に相談にのってもらえた…『そこまでしてくれるんだ』」
「Gコンサルの懇親会…社員の雰囲気が掴めて“あ、この会社いいかも”」
「H証券…インサイダー情報を扱う部署にも特別に入れてもらえて、働く様子をそのまま見られたのが衝撃」
「I商社の部署配属型インターン…海外支社と会議/工場同行で、入社後の姿がクリアに」
▼離反ポイント : 志望企業からの脱落
【-】 担当の専門性不足・ニーズ不一致
【-】“イベントの質”が目的からズレる
(コメント例)
「政府系金融Q…投資銀行業界に詳しくない担当で…話が噛み合わず、そのまま選考辞退」
「M広告代理店のキャリアパス面談は…最終面接前で目的も内容も曖昧」
フェーズ3:本選考(適応/本エントリー対策・面接参加)
▼好感ポイント : 受験を後押しする支援
【+】 業務理解と自己像の具体化を促す接点
【+】 面接準備で有効なHPの情報
(コメント例)
「F銀行…IT系志望者向けに模擬面接や食事会があって、業務理解が深まり…働き方のイメージが湧いた」
「ES作成と面接準備のために見ました」
「面接官に受けるネタ探し・下調べが目的」
「面接が本格化すると新卒HPだけでは物足りないので、経験採用のHPも見た」
▼離反ポイント : 受験意思を曇らせる運用
【-】連絡オペレーションの粗さ
【-】不公平感・プロセス設計の不整合
(コメント例)
「L商社は…面接通過や予約連絡が非通知で電話。折り返しもできず本当に困りました」
「Kコンサルは面談案内の電話が直前過ぎて行けなかった」
「O銀行、インターン参加者への選考優遇が人によって明らかに違い…気づいた瞬間に冷めて、選考辞退」
「F商社のWEBテストが“なぜ今?”(部署配属インターンのやり切った後に実施)」
「E総研は、選考の間隔が空きすぎて…その間に他社が進み、気持ちが揺れる」
フェーズ4:内定~受諾(検討・選択②/意思決定)
▼好感ポイント : 内定承諾の決め手
【+】 内定後も続く伴走と再接続
(コメント例)
「J商社のインターン後の再交流イベント…違う月の参加者とも会え、メンターとも再会できた」
「Kコンサルで人事社員との食事会や、興味ある分野の社員とピンポイントで話す機会も誠実さを感じた」
「月次の1on1継続で大切にされている感が隠れた要因でした」
▼離反ポイント : 意思決定直前の失望
【-】意思確認まわりの不快体験
【-】内定後の“中身のない”接点
「F銀行…意思確認のタイミングで希望を出したら、事前調整なしで突然電話。授業中で出られず3回も逃しました」
「N(大手SIer)の内定者親睦会が内定者主催で不安。Slackの情報共有もごちゃごちゃ」
「Pアドバイザリーは、内定後のイベントが飲み会や新年会ばかりで、キャリア相談系が全くない」
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