今さら聞けない「就活生ジャーニー」、初歩から解説!
株式会社ピボット 代表取締役/ブランドコンサルタント ⻄山亜矢子
採用HPや採用サービスの導入にあたって、「就活生のジャーニー」を使って説明を受ける(検討する)ことが増えています。
時には、「ジャーニーはありますか?」「ジャーニーを作ってください」と言われることも…
いつの間にか、クリエイターやサービサー主導で定着した感がある「ジャーニー」。
有効活用するために、考え方・見方・作り方のポイントを解説します。
*「就活生ジャーニー」テンプレをご用意しました。ご希望の方はSRサポートデスク(support@pivot-inc.co.jp)までご連絡ください
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■そもそも「ジャーニー」とは?
「ジャーニー」とは、一言で言うと
・ユーザー(この場合は就活生)が目的を達成するまでの
・行動と心理の流れを
・時系列で見える化したもの
です(※)。
「いつ・どこで・何を考え・どう動いたか」、行動と心理の両面
を含むため、 「体験の流れ=ストーリー」を理解し設計するのに役立ちます。
(※)ジャーニーには、「(1)顧客・ユーザー視点で書くもの」「(2)事業者視点で書くもの」がありますが、本稿では「(1)顧客・ユーザー視点で書くもの」について扱います。
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■「ジャーニー」を作ると、何がいいの?
単なる行動ログ(記録)やフローチャートよりも、就活生の体験を具体的にイメージすることができ、「刺さる」施策の企画・選択につながります。
また、(個々の体験を)連続性のある物語として俯瞰できるので、問題の構造が分かります。施策と次の施策の繋ぎ・連携も考えやすくなります。
「早期に出会ってエントリーまで長いフォローが続く」昨今の採用活動の最適化には、うってつけのフレームと言えるでしょう。
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■「ジャーニー」の構成要素(項目)は?
一般的な構成要素を列挙すると、以下の6項目かと思います。
まず、「1)フェーズ」ごとの「2)3)4)顧客・ユーザーの行動と心理」の実際を記述し、
→その後、「5)6)そこから読み取れること」を追記します(※)。
1) フェーズ
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2) 主な行動
3) 接点
4) その時の感情
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5) 課題
6) 示唆
設定に工夫を要するのは、1)~4)であると思います。
(※)顧客・ユーザーのジャーニーには、「(1)ASISモデル(現状の記述)」「(2)TOBEモデル(提案・理想状態)」がありますが、本稿では「(1)ASISモデル」について扱います。
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■今どきの「就活生ジャーニー」の構成要素はどう見る・どう作る?
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1)フェーズの設定
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就職活動をフェーズに区切って理解する際のポイントは以下の3点です。
(1)今どきの就活生にとって、インターンシップ(IS)選び=応募探索(認知・発見)であること
(2)本選考中は受かるための方策に集中するため、本質的な検討や選択はいったん脇へおかれる
(3)本質的な検討と選択は、「IS参加の後」「内定の後」の2回行われる
つまり構造的に、
「ISを使わないと(特に早期の)認知・発見がされにくい」
「本質的な志望度アップの鍵は、検討・選択のフェーズに合わせた適切な情報提供」
となっていることが指摘できます。
STUDENTS’REPOET編集部では、下記のようにフェーズを整理しています。
フェーズ1:応募探索(認知・発見)
・IS選び
・IS選考対策
・IS参加
フェーズ2:応募絞込み(検討・選択①)
・IS参加
・応募先の深堀と幅出し
・OBG訪問
フェーズ3:本選考(適応)
・本エントリー対策
・本選考面接参加
フェーズ4:内定~受諾(検討・選択②)
・内定・入社先決定
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2)行動・思考×接点(タッチポイント)の設定
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(1)行動・思考×接点(タッチポイント)には、典型的なパターンがある
就職活動は、概ね「企業側が準備したプロセスに乗って」進みます。
したがって、「主な行動・思考」と「具体的なタッチポイント」の組み合わせには、典型的なパターンがあります。
課題解決や施策立案の際は、まずは典型的なパターンに則って考えるのが、効率的・効果的だと思います。
(2)接点は、「Web系」と「それ以外」のチャネルに分けて考える
Web系チャネルは、「就活生ジャーニー」全体に関わります。
一方、それ以外のチャネルは「特定のフェーズ」に関わるものが多いです。
そのため、「Web系の流れだけを追っても全体を俯瞰できる」ように記述しておくと、ジャーニーを課題やソリューションの発見に活かす際に、利便性が高くなります。
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3)志望度や心理変容の設定
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(1)就活生の心理変容は志望度アップのためにある
就活の具体的アクションを通じて、就活生はさまざまな快・不快の感情を持ちます。
しかし、採用側が最終的に促したいのは、「入社先として選ばれるレベルの志望度の獲得」です。
であれば、個々の心理変容は、常に「志望度の変化と紐づけて観察・評価する」ことが不可欠です。
そのために項目名称自体を「志望度や心理変容」としています。
(2)重要ターゲット(ペルソナ)の数だけ、心理変容のジャーニーを描く
ここが就活生の体験イメージの具体化の要所となります。
一般的な消費財ユーザーのジャーニーならば「マス層」のものを描くことになるでしょう。
しかし、「大手」「人気企業」の採用を改善する=より良い内定者の確保に繋げることを目的とするならば、
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「重要ターゲット=より良い内定者候補」の解像度を上げて
(できれは)複数のターゲット像のジャーニーを描く
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ことをお勧めします。
「何種類描くべき」のような決まりはありませんが、一つの募集部門・コースにつき、3~5個程度におさめるのが妥当と思われます。
「ターゲットが明確になっている」と対応するジャーニーも正確なものになるので、事前準備として「重要ターゲットの特定×ペルソナが記述されている」ことが望ましいです。
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■まずは実践!気軽に描いてみる
一から作るのはハードルが上がってしまうと思いますので、テンプレをご準備しました。
抽象的なターゲットで考えるのが難しければ、「具体的な内定者の誰か」をイメージして作成してみるのがおススメです。
ジャーニーはいくつか描いてみることで、用途が腑に落ちてきます。
正確さを気にせず、空欄ができても構わないので、気軽に作成してみてください。
*「就活生ジャーニー」テンプレをご希望の方は、SRサポートデスクまでご連絡ください。
support@pivot-inc.co.jp
*アドバイザリミーティングにて主要ターゲットのジャーニー作成をお手伝いします。以下までお気軽にお申込みください。
support@pivot-inc.co.jp

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