インターンフォロー施策のポイントとは/学生評価と事例紹介
夏季インターンの実施以降、会員企業様から寄せられる典型的なご相談のひとつが「インターンフォロー」です。今号では、次年度(27卒)の施策設計も念頭におき「学生にとって価値がある(ありがたい)フォロー」「選考参加につながるフォロー」のポイントを考えたいと思います。
■最大のフォローは<本選考の優遇>
フォロー施策を考える上でまず想定しておくべくことですが、インターン参加学生にとって、その後も志望(企業との接触)を続ける最大の要素は「選考優遇そのもの」です。
極論を言えば、「インターン参加後すぐに本選考開始」であれば、フォローは必要ありません。またインターン後に長い空白期間があったとしても「あとは最終面接のみ」であれば、フォローなしで本選考に進んでくれるかもしれません。
実際に組むのは難しいところもありますが、<フォロー期間>という考え方が不要な年間建付を構想する事にも意義はあると思います。
■志望度向上(エンゲージ)ではなく「少なくとも離反させない」接触を
多忙な採用業務の中でフォローを行う以上、学生の志望度向上、企業理解の深化を望むのは当然のことです。しかし学生側には「参加しておかないと本選考に繋がらないから仕方なく」といった受け身な態度があることも事実。かけられる工数が限られている企業では、志望企業から外れないための「最低限のつなぎ止め」と割り切ることも必要でしょう。
■定番施策はやはり「個別面談」
「参加者フォローに効く個性的な取り組み、新規事例」のお問合せもよくいただきますが、やはり王道といえるのは「社員との個別面談(1on1)」になります。
「会社/事業紹介」「社員座談会」などインターンシップでも実施済の内容は「今さら」「冗長」な印象につながる場合も。
かつては多くの企業でみられた「リクルーター制度(リクルーター社員との面談を通じて動機付けと選考を行う)」ですが、市場環境や学生心理の変化に伴い、再度脚光を浴びる状況が生まれているのかもしれません。
■「特別対応」を求める心理
フォロー施策についての評価を学生ヒアリングする中で「特別感がある」との言葉をよく耳にします。
この場合の特別感には2つの要素があります。
1)インターンに参加したからには、選考待遇などの点で非参加者と明確に区別してほしい
(非参加者と同じ扱いなのはかえって不公平)
2)「インターン参加者」という一括りではなく、個々人に合わせた(理解した)対応を取って欲しい
「個別面談」が学生に人気なのも、こうした点が大きいと思われます。
一方で、せっかくの個別面談でも、通り一辺倒であったり、的外れなやりとりでは失望させてしまうリスクも。応対する社員の練度(学生タイプの的確な見極め)が求められるところです。
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今号では弊社登録学生から集めた「インターンフォロー施策」から、いくつか抜粋でご紹介します。
フォロー施策の「回数」「頻度」「形式」には多種多様な組み合わせがあり、企業・業界ごとに、また本選考のスタイルによって最適解は異なります。
自社にフィットするフォロー施策のあり方については、企業様ごとに情報提供していますのでお問合せください。
【インターンフォロー施策 具体例】
◆A社(商社) ※25卒実績
<選考優遇>
1次面接を免除
<フォローステップ>
11月 3daysインターン
12月 参加者限定特別イベント(ハイブリッド形式)
若手社員のパネルディスカッション、社員との座談会
1月~3月 インターン書類選考通過者を対象とした採用チーム員との1on1対面相談会
<参加学生のコメント>
「フォロー施策は参加する気にならず不参加。ただし、インターン参加者限定の選考優遇があったため、選考には参加した」
「総合商社への志望度はそこまで高くなかったため、人事と対面で1対1で話すのはかなりハードルが高い」
「1on1対面相談会は、インターンに参加できなかった人も救う良い施策だと思う反面、インターンに参加した身としては平等ではない気もして腑に落ちなかった。インターン参加者は対象外で良かったのではないか」
◆B社(金融)
<選考優遇>
3daysインターン参加者対象の早期選考。通常選考よりステップを省略すると案内。
<フォローステップ>
夏 1dayインターン
夏 3daysインターン
10月 社員座談会(対面)
簡単な会社説明、興味がある現場社員のブースを回る質問会(3ターム)
12月 1on1面談(対面)
現在の就職活動の状況、どんなことをしたいかなどフランクに話せる機会
<参加学生のコメント>
「1on1面談では、将来ビジョンの悩みに真摯に相談に乗ってもらい、アドバイスもいただけた。業務イメージが明確になり、かつ社員が誠実に対応してくれたので早期選考参加を決めた」
◆C社(金融)
<選考優遇>
年内内定が確約された早期選考
<フォローステップ>
9月 3daysインターン
9月~10月 現場社員との個人面談(複数回)、現場社員との座談会
<参加学生のコメント>
「フォロー施策を通じて人・会社の雰囲気を十分に知れたことが、早期選考参加の決め手になった」
◆D社(金融)
<選考優遇>
12~4月頃に行われる早期選考(コースによって時期は異なる)
<フォローステップ>
8月~9月 5daysインターン(オンライン)
11月~ アドバイザー面談案内
<参加学生のコメント>
「インターン参加後、面談案内が届くまでの期間が長すぎた。また、対面での接触がなかったこともあり、フォロー施策の面談には不参加。フォロー施策の有無に関わらず、本選考は受けない予定だった」
◆E社(メーカー) ※25卒実績
<選考優遇>
フォロー施策の「社員面談」から、実質的な最終面接に接続
<フォローステップ>
9月 2daysインターン
10月 事業所見学、若手社員との懇親会
12月~1月 複数回の社員WEB個別面談
2月 複数日程のインターン
2daysインターン参加者の一部に案内。終了後、社員との懇親会実施
2月 複数回の社員対面面談
<参加学生のコメント>
「社員面談が印象アップに繋がった。2回目以降の面談で、『以前の面談を担当した社員がこう言っていた』などと評価が伝えられ、自分のことをone of themではなく認知してもらえているような気がした」
「気付いたら早期選考に乗っていた。定期的に接触の場が設けられるため、“選考に参加しない”と考える隙もなかった」
◆F社(メーカー) ※25卒実績
<選考優遇>
3daysインターン参加者に本選考のWebテスト免除
3daysインターン高評価者には早期選考案内
<フォローステップ>
9月 1dayインターン
12月 3daysインターン、懇親会
1月 人事との就活相談会(オンライン)
2月~3月 複数回のリクルーター面談、人事との食事会
<参加学生のコメント>
「もともと人事の学生認知度が高かったが、担当の人事がついて食事などをするたびに特別感が増して志望度が上がった。ただし、選考参加の決め手はフォロー施策ではなく、単純に早期選考が案内されたこと」
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