(株)ピボット シニアコンサルタント/(株)ワークウィズジョイ 代表取締役 新保博文
新卒採用市場では、効果的な手法・媒体が登場すると「数年で市場全体に拡大し、陳腐化する」ことが繰り返されてきました。
過去数年にわたって拡大してきた「新卒向けスカウトサービス」もベンダーの参入が集中。把握しきれない数のサービスが存在し、玉石混淆状態です。
※参考:「26卒向け 新卒ダイレクトリクルーティングサービス カオスマップ」(株式会社ABABA)
会員企業様からのご相談でも、期待した成果が出ないので毎年ベンダーを乗り換えるようなケースがみられます。
今回は、利用経験の浅い企業様が「効率的に選択して賢く使う」ためのヒントをご案内します。
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▼「スカウトサービス選び=ポートフォリオ管理」と心得る
スカウトサービスというカテゴリにおいて、ベンダー選定が難しくなっている要因は以下の2点です。
(1)細分化した対象や機能に特化したものが増加
→全てのニーズを満たせるサービス(オールインワン型)を見つけにくい
(2)サービスカテゴリとして発展途上
→デファクト・スタンダードとまで言えるものはなく、各サービスの内容・将来性ともに安定していない(決定版のものがない)
この状況に対応していくには、
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・複数のサービスを組み合わせ(ポートフォリオ)
・サービス全体として自社のニーズを満たし
・成果の読みにくさ(下ぶれリスク)をコントロールしていく
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ことが必要です。
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▼初心者でも考えやすい「本命/サブ/お試し」ポートフォリオ
複数サービスの組み合わせにはさまざまな切り口がありますが、初心者が考えやすい切り口は、「本命」「サブ」「お試し」の3分類だと思います。
(1)「本命」サービス:自社のターゲット層を多く含み、スカウトの柱となるサービス
(2)「サブ」サービス:「本命」が弱い/接触できないターゲット層にアプローチできる、補完的サービス
(3)「お試し」サービス:実績が少ない/効果が未知数だが、「ピンポイントでハマりそうなニーズがある」「登録者を独占できるボーナスタイムなどが期待できる」サービス
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▼実践!スカウトサービス選びの視点・コツ
ここでは、3分類ポートフォリオを前提とした、具体的なスカウトサービス選びの視点・コツをいくつかご紹介します。
(1)(2)「本命」「サブ」サービスの選択
●サービスの空気感「ターゲット学生からの支持を<失っていないか>」
ベンダー資料では「登録人数」「機能」などの優位性が謳われていますが、データには表れてこないユーザーによる【媒体の空気感の評価】もとても重要です。
「ピークアウトしている・過疎っている」「ノットフォーミー」「今っぽくない・昔の人用」といった空気感をまとっていないか、常にチェックする必要があります。
コンサルタントなどに質問、あるいは内定者の方にヒアリングでも構いません。
●使えるタイミングが用途とフィットするか
「登録学生が増える/利用のピークとなる」時期が、そのサービスを使うベストタイミングです。
優秀な学生の登録数が多くても、夏~秋選考の案内が中心で、その後は使われなくなるサービスもあります。
サービスによりピーク期は異なるため、担当営業などに確認する必要があります。
(3)「お試し」サービスの選択
●ブルーオーシャンの探索「何らかのボーナスタイムが期待できそうか」
実績が少ない新興サービスであっても「自社が大手企業としては最初のクライアント」であった場合、登録者を独占できる/(料金などの)大きな優遇を得るチャンスがあります。
対象や機能を特化したタイプであれば、成長が一気に加速しているタイミングでの活用もおススメです。
絶対数は少なくとも、アーリーアダプターの優秀層が集まっていることが期待できます。
●ユニークな機能があるか
そのサービスならではのユニークな機能を搭載している場合、その機能とフィットする学生が集まります(探せます)。
しかし実際には、一般的な利用方法にとどまり、うまく使いこなせていない/そもそも機能を知らない場合が少なくありません。
機能が理解できないと→フィットする学生像をイメージすることができません。
営業担当やコンサルタントに、理解できるまで説明を求めてください。
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▼ポートフォリオ作成例
まとめとして、ポートフォリオのサンプルを作成してみました。
「大手企業が/デジタル職の採用のために/理系学生のスカウトサービスを選定」する場合の例です。
自社に適した比較軸を定義した上で一覧表形式にまとめておけば、チーム内での「導入の意思決定」や「実績評価」などが明快になります。

多くは、下記のような比較軸の構成になると思います。
(1)ターゲット学生の登録状況(総数・専攻分野など細目)
(2)同 利用状況 (利用率の時系列推移)(他の利用企業・利用時期)
(3)ターゲット学生の抽出方法(抽出できる項目や機能)
(4)自社の用途にとっての評価ポイント
(5)費用
サービスの流行り廃りも激しいので、同じ軸で毎年見直し、必要に応じた入れ替えをお勧めします。
▼「苦手なところだけ、プロに相談」もアリ
選択上のツボを理解したとしても<実際のところどうなのか?>ベンダーの営業トークだけでは判らないことも事実です。
複数の企業様と、複数のベンダーを使ってきた経験から、ピンポイントなお困りどころにご対応します。
お手持ちの【無料相談チケット】をご活用ください!
<ご相談テーマ例>
・貴社にカスタムしたポートフォリオ設計
・苦手意識を感じる「システム的な構造・機能」などの比較
・ターゲット別の活用の勘所
・ベンダー面談(媒体説明打合せ)への同席 など
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