先の弊社レポートでも、夏インターンシップまでに志望先がかなり絞り込まれることをお伝えしました。
→24/10/23号「【調査レポート】10月以降の就職活動意向(25卒実績)〈最終報告〉」
では、秋以降の出会いで志望先として選ばれるには、どうすればよいのか?
レポート結果を前提とした学生インタビューを実施した結果、秋以降の企業選択行動を分けるものは、
「その学生がどのような企業選びのスタンスを持っているか」
であることが浮かび上がりました。
複数名のコメントから汎用的なタイプにまとめたところ、
「夏インターンシップに積極的に参加した学生」のうち、「秋以降でも出会う&選ばれるチャンスがある」のは次の3タイプでした。
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《1》 「初期リスト厳選」タイプ
「人気の選択肢」から「潰しがききそう」なものを初期リスト化
《2》 「効率自分マッチング」タイプ
「自分に合うところ」を「効率的に」探したい
《3》 「企業選びは幅広」タイプ
「幅広い業界・職種」を「自分の目で確かめて」選びたい
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今回は、これらのタイプの解説と、タイプ別アプローチのコツをお伝えします。
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《1》「初期リスト厳選」タイプ
【ペルソナ】
・早慶クラス経済学部
・和気あいあいとしたサッカーサークル所属
・大学2年からスタートアップで長期インターン
・社交的でフットワークが軽く、ネットワークも広い
【企業選びのスタンス】
・「市場価値の高い人材」を目指したいが、現時点では専門知識・スキルはない
・新卒時は潰しがきく(様々な職場で活きる)スキルパッケージが身につく会社に行きたい
・最初の会社で習得したスキルパッケージを武器に、転職後に専門性を身に付け、キャリアを固めたい
【最初期の就活行動】=2年生2月~
・「新卒入社はキャリア選択の準備ステップ」のため、「〇〇でなければ」という強いこだわりはなかった
・就活生の間で人気・代表的な受験先から「潰しがきくスキルパッケージが身に付きそうな」コンサル/金融/商社/デジタル系スタートアップを初期ターゲットとした
・「潰しがきく」の具体的イメージは、「法人営業」「マルチクライアント」
・外資も受験するため、具体的な就活準備は早めに開始
・商社の受験に強い就活コミュニティにも入会
【夏の就活行動】
・実践で学びたいので、スタートアップの本選考に参加することで、自分の課題や価値観をあぶりだしていった
・夏インターンシップは、初期ターゲットと定めた業界の中で、規模や専門性は絞らずに応募
【夏の就活結果と秋以降の予定】
・志望業界の夏インターンシップに一定参加でき、フィット感なども確認できたが、ターゲットを絞り切るまでには至らなかった
・現時点の本命はコンサル
・参加できていない志望業界(商社・メガバンク)のインターンシップに予定通り挑むつもり
・初期ターゲットから受験先を増やす予定はない
・リファラルでOBG訪問を増やそうとしている
●企業選びのスタンスから見た、アプローチのポイント
・夏終了時点では「業界」で絞っており、就活自体は継続中。よって、「業界」を軸に打ち出せば振り向く可能性がある
・「志望先と同業界である」場合はもちろん、「志望業界と同様の仕事ができる部門・職種・仕事がある」というアプローチも有効
・就活生の間で人気・代表的な受験先で絞る学生が多いため、「コンサル/商社/デベ/金融(法人営業)」と自社の類似点を言語化しておくと、キャッチコピーや口説きトークに使いまわせて便利
・自主的に志望先を広げるスタンスではないため、「個人の志向に合わせたスカウト」「内輪・学内で出会える何か(寄付講座は有効)」でリーチしていく
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《2》「効率自分マッチング」タイプ
【ペルソナ】
・旧帝大商学部
・趣味のeスポーツ仲間(学生・社会人)が交友の中心
・短期留学、サークル、長期インターンなど、経験の幅は豊富でバランスが良い
・「イチオシの自分軸」「深く・濃い経験」にはやや自信なし
【企業選びのスタンス】
・「自分の特性に合う」企業・仕事に就いて、無理なく働きたい
・合う・合わないはフィーリングの部分が大きく、自分としてはあまり迷わず直感的に意思決定できる
・「合わなそう」な企業は最初から受験先から除いた
・「とっかかり」「振り返り」など、要所要所で「自分と似たタイプの同期・先輩」の意見と照らし合わせている
【最初期の就活行動】=3年生5月~
・外資就活やワンキャリアなどに登録し、記事や動画を視聴。合説やベンダーイベントなどにも参加
・同期・先輩に質問しまくる
・上記のステップで、夏インターンシップの選社軸が「グローバル」「頭(論理)を使う職種」にうっすら決まる
【夏の就活行動】
・選社軸に基づき、気になる業界(金融・コンサル・メーカー)のオープン・カンパニーや夏インターンシップ(日数問わず)に応募・参加
・参加にあたっては、「そこで自分のキャリアビジョン(望む仕事・働き方)が実現できそうかどうか」を主に見ていた
・キャリアビジョンは「まずライトなイベント(主に社員の話)で認知→インターンシップで具体的に確認」という方法で確かめていた
【夏の就活結果と秋以降の予定】
・夏インターンシップに参加した結果、志望業界=金融・メーカー、志望職種=デジタル職種・海外営業に絞る
・夏インターンシップから志望度の高い業界・職種の選考に繋がった。今後はそれらの受験と、インターンシップの設定がない志望企業のオープン選考を受ける予定
・秋以降は受験企業の自主的な探索はしない予定だが、自分とマッチしていると感じれば(現時点の)志望業界や職種以外にも受験先を拡げる
・秋以降、インターンシップ参加は(就活の)主軸としない予定。ただし、絶対参加しないわけではなく、キャリアビジョン確認のため、メリットがあれば重めのインターンシップでも参加する
●企業選びのスタンスから見た、アプローチのポイント
・一貫して「自分へのマッチ=抽象的な志望軸」が選社の中心的基準であるため、その軸に合わせていけば秋以降もフックをかけることができる
・一方で春夏よりは腰が重くなっており、秋以降のインターンシップに呼びたいならば「選考直結」「優遇」などの付加が必要
・「要所要所で自分に似た人に話を聞く」「確認したいことがキャリアビジョン」であることから、呼び込み先として「特典付き&タイプが選べるOBG訪問・メンター面談」がこのタイプにはフィット
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《3》「企業選びは幅広」タイプ
【ペルソナ】
・旧帝大クラス経済学部
・室内楽サークル代表などリーダータイプ
・大学2年から長期インターンほか活動量は高い
・小手先の工夫/目先の利益の偏重には共感できない
【企業選びのスタンス】
・業界は限定していないがトップティア志向
・効率だけではなく、(特に初期は)幅出しも大事にしたい
・入社企業で長く働きたいため、社風を重要視
・志向はチャレンジングだが、決断は慎重・堅実
【最初期の就活行動】=2年生1月~
・漠然と日系大手、特に商社志望
・外資も受けるため、具体的な就活準備は早めに開始
・外資日系双方で強い就活コミュニティに入会
・情報収集に早くからOBG訪問を活用
・合説やベンダーイベントは(個別企業理解までの)距離が遠い気がするため不参加
【夏の就活行動】
・ベンチャー企業の就活はマッチ度が感じられなかったため、ほどなく打ち止め。大手にフォーカス
・夏インターンシップは、自分の目でマッチ度を確かめるために幅広く応募・参加(大手の中でもコンサル・広告・デベロッパー・メーカー・金融が主軸)
・企業研究の入口として1dayインターンに参加→その後、しっかり確認するために複数日程インターンに参加する、という方法を取っていた
【夏の就活結果と秋以降の予定】
・志望業界の夏インターンシップに一定参加でき、選考・内定にもつながったが、秋以降も積極的に就活予定。幅出しも続ける
・現時点の本命は変わらず総合商社。コンサル内定済み
・就活軸に合わない企業は取捨、合う可能性がある業界(海運、金融一部)を追加して企業研究を継続
・参加できていない商社のインターンシップに予定通り挑むつもり
・商社中心のOBG訪問を増やそうとしている
●企業選びのスタンスから見た、アプローチのポイント
・秋以降も、接点を持つチャンス自体は普通にある
・もともと「自分の目で」「しっかり」見たい志向が強く、夏を経て目が肥えてきた秋以降は、情報が薄そうな施策では繋がれない
・インターンシップを含む「自社主催」「社員参加」「話題が濃い・深い」施策が必要
・接点の入口としては、「深い話ができる中堅以上社員が参加する座談会・OBG訪問」などが有効
・接点を持つことよりも、その後の口説きと志望順位アップの方が難しいタイプ。要対策
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