· 

26卒本選考 スケジュール設計の<勘所>をつかむ

STUDENTS’REPORT 主任コンサルタント 豊崎康弘

 

先週のWeeklyReportでは、弊社が経年的に蓄積している選考日程データから、大手企業60社(約100コース)の内定出しタイミング(25卒)を集計しました。

https://www.pivot-inc.co.jp/240821/

 

【ポイント(再掲)】

●内定出しのヤマは4月から3月へ

●2月以前への内定前倒しは、一部企業・コースに留まる

●5月~6月には、商社、デベロッパー、政府系金融などの人気業界が控える

 

今回は引き続き、26卒選考でも日程上の<山場>と目される3月について、学生側事情などの補助線を引いた上で、スケジュールを決定する際の<勘どころ>を共有したいと思います。

 

*本レポート担当による選考日程の予測・解説セミナーを実施しています。

ご予約多数につき残枠は限られますが、ご興味ありましたらぜひご活用ください。

https://questant.jp/q/MVGC31S7

 

*企業様ごとの「スケジュール案」を拝見した上で、より具体的なご助言、壁打ち対応も行っています(アドバイザリー・ミーティング)

 「ご希望時期」「ご連絡の付く電話番号」を記載の上、下記までお問合せください。

 

 support@pivot-inc.co.jp


■<3月内定>に臨む学生側の事情

 

内定出し時期の集中は当然、「面接時期の集中」でもあります。

御社の3月選考に参加してくれる学生は、他社では何回程度の面接をこなすのでしょうか。

 

イメージをシンプルにするため、ざっくり以下のような想定で考えてみます。

 

(例1)3月に総合商社を3社受験 3社とも内定

 (かなりの就活強者ですが、昨今の市場環境では得てしてみられるケースです)

総合商社の「3月選考」は、概ね3回の面接を経て内定に至ります。月内の延べ面接数は3×3=9回

(例2)2月までに、金融(インターン優遇枠)2社にのり、2社とも内定

優遇後の面接回数には幅がありますが、平均2回とすると2×2=4回

 

同じような考え方で、「3月に受ける面接(数)」の典型的なパターンを想定すると、このような形になります。

 

<シミュレーション/3月中の延べ面接数(25卒実績)>

 (※すべて仮定、内定まで進んだ企業のみ)

 

 ●総合商社(3月内定)

・面接回数(標準)  :3

・うち3月実施(平均):3

・仮定内定数    :2

・3月の延べ面接数  :6

 

●金融(優遇枠)

・面接回数(標準)  :1~3(偏差大きい)

・うち3月実施(平均):2

・仮定内定数    :2

・3月の延べ面接数  :3

 

●金融(オープン枠・4~5月内定)

・面接回数(標準)  :3~4(偏差大きい)

・うち3月実施(平均):1.5

・仮定内定数    :2

・3月の延べ面接数  :3

 

●メーカー(4月内定)

・面接回数(標準)  :3

・うち3月実施(平均):1.5

・仮定内定数    :2

・3月の延べ面接数  :3

 

※デベロッパー最大手の通常面接は4月開始のため省略

 

これは「内定取得企業」に割かれる回数です。

実際には途中落ち/辞退企業の面接が加わります。また3月前半を中心に、「エントリーシート」「筆記・適性検査」の工数もかかることになります。

 

3月の4週間強で、これだけの面接をこなすのが就活生の現実です。

本選考を<学生の時間争奪戦>と考えるならば、採用側としては、この中に「自社の面接」を組み入れてもらわなければなりません。

 

■過密な3月スケジュールにどう向き合うか?

自社の選考スケジュールをカレンダーに落とし込むには、前段として、基本スタンスを固める必要があります。

「内定出しのヤマ」をどこに置くかを基準にするならば、以下のようなパターンに分かれるでしょう。

 

(パターン1) 3月中に真っ向勝負

1-a 3月からES受付。4週間で内定まで持っていく  → 大手総合商社など

1-b 選考の頭出し(ES受付・締切など)のみ2月に実施。3月早々に面接開始

 

(パターン2) 時期を完全にずらす

2-a 前にずらす (2月末までに内定出し) →  一部企業のインターン直結枠など

2-b 後ろにずらす (4月以降に選考開始) → 大手デベロッパーなど

 

(パターン3) 選考ステップの一部を3月に掛ける

3-a 選考後半を3月に重ねる → メーカー選考優遇枠など

3-b 選考前半を3月に重ねる → 金融オープン枠(優遇なし)、大多数の4月以降内定

 

(パターン4) 3月以前から4月以降まで長く分散 → リクルーター制を取る企業 など

 

それぞれのパターンごとに、「出会える学生像・レベル」「参入してくれる期待数」「事後辞退リスクと辞退先」は異なります。

自社の主軸をどのパターンに置くのか、また複数パターンを用意する場合、内定数などの比重についても意思決定が必要です。

より現実的には、面接官の確保など、社内事情によっても制約がかかります。

これら複数の要素を勘案して「どの時期に」「いくつの選考ルートを」「どのようなリソース配分で」用意するのか、ポートフォリオを組むことになります。

 

■設計担当者の「暗黙の勘所」を見える化する

選考スケジュールを固める上でのこうした前提条件は、採用実務においては、ご担当者様(採用チーム)の「過去の経験・相場観」として属人的に継承されることが多いように感じます。

少人数で実務を回される企業様や、上長や主担当の方が異動された直後には、暗黙知がうまく働かず、スケジュール設計の焦点が甘くなってしまうケースも、よく経験いたします。

選考日程に関する弊社のアドバイザリーでは、市場全体の日程トレンドに加え、毎年の各社様ご事情、競合関係とターゲット学生像、制約条件等を踏まえた上で、外部専門家としてのご助言、ディスカッションを行っています。

本選考スケジュールについて、具体的に踏み込んだご助言、情報提供については、下記までお問合せください。

 

STUDENTS’ REPORT(アドバイザリー・ミーティング)

support@pivot-inc.co.jp 担当:豊崎

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

【本資料に関するお問合せ】STUDENTSʼREPORT編集部support@pivot-inc.co.jp|050-3649-7671

©株式会社ピボット「STUDENTSʼREPORT」は株式会社ピボットの著作物です。会員以外の閲覧および無断転送、複製、転載はご遠慮ください。