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〈26卒広報開始〉就活生のSNS使い分けの実態


25卒の選考ピーク期ですが、来る4/1には26卒向けマイナビ・リクナビがオープン、採用広報が本格的にスタートします。一体、どのような施策がイマドキの学生に届くのでしょうか。

 

若年層のコミュニケーション手段としてSNSは欠かせません。就職活動においても、時には企業発の情報より大きな影響力を持つことがあります。

そのため、SNSを用いた「採用公式情報」に着目する企業様も多いと思います。

しかし、各種SNSサービスの利用率や信頼度、活用方法は数年で大きく変わります。これから就活を向かえる「26卒生」も、社会人の常識とは異なる使い方をしている可能性があります。

 

今号では、デジタルネイティブ世代の思考・目線を知ることにフィーチャーし、就活におけるSNS利用の実態についてお伝えします。

 

※WR 23/09/13号『25卒の就活情報収集事情』でも、X・YouTubeに対する学生の認識と使い勝手について取り上げています。

https://www.pivot-inc.co.jp/230913/

 

■25卒就活生のSNS利用状況(23年9月後半時点/キャリタス就活調査)

・昨年9月後半時点での調査では、日常生活・就職活動問わず「LINE」のシェアが高い。

・就職活動での利用では、LINEが4割強、X(旧Twitter)が3.5割と続く。

・「SNSは利用していない」も3割弱いるが、9月後半以降に就活が本格化するにつれてSNS利用率は上昇したと推測される。

 

 

出典:株式会社ディスコ/キャリタスリサーチ「25年卒 9月後半時点の就職意識調査 キャリタス就活学生モニター2025調査結果(2023年10月発行)」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000649.000003965.html

 

 

■「就活生目線」でみた主なSNSの使い分け

※弊社登録学生へのヒアリング(25・26卒)をもとに構成しています。

 

1)LINE

▼主な利用アカウント

・オープンチャット

「Unistyle」「Jobhunt」運営のものがよく活用される

各企業の選考進捗情報など、学生同士の情報交換の場として活用

・採用部門の公式アカウント(マイページと連動。採用担当からの一方的な発信)

・その他就活支援アカウント

 

<解説>

・「就活でLINEを使う」という文脈の大半は「オープンチャット」であり、公式情報や就活支援アカウントの情報は(特に上位校では)さほど重視されていません

・オープンチャット上では「いま面談通過の連絡がきた」など分単位のやりとりも交わされます。見えない採用フローの全体像を知り、「不安」を払拭することが大きな動機になっています

・就活アカウントを作りやすいXとは異なり、LINEはアカウントの切り分けが難しく、日常利用する画面に「オープンチャット」から膨大な通知が届くことになります。焦りや不安に駆られるため距離を置く学生もいます。

 

 

2)YouTube

▼主な利用アカウント

・採用公式チャンネル(座談会・社員密着・インタビューなど)

・企業公式チャンネル(CM・事業PRなど)

・就活支援チャンネル(GD対策・模擬面接対策・企業研究など)

・就活系エンタメチャンネル

<解説>

・他媒体より「長尺の動画」を見てもらいやすいチャネルです。

・企業研究の際、まずは採用公式/企業公式チャンネルの事業紹介動画で全体像をつかむ学生もいます。掲載ページが散らばっている採用サイトなどに対し、動画1本見ればよい効率性が評価されています。

 

・採用公式チャンネルでは10分程度の社員密着動画や座談会動画などをアップし、エントリー学生のマイページからリンクを貼る形が一般的です。

・紹介されている社員数が多い/複数企業ををざっと見ることができるという理由でYouTubeではなく「タレントブック」を利用している学生もいました。

・企業の公式チャンネルとは別に、等身大の就活生が出演する「就活支援チャンネル」「就活系エンタメチャンネル」なども見られます。

 

 

3)X(旧Twitter)

▼主な利用アカウント

・就活支援アカウント

就活を終えた学生の個人運営、就活支援会社の商用アカウントなど様々な種類あり

・就活生個人のアカウント(就活アカウント)

相互フォローなどの形で学生どうしの情報交換に用いる

DMを使ってクローズドで選考情報を共有する場合あり

・採用公式アカウント

・「日経新聞電子版」などニュース・情報配信アカウント

 

 

<解説>

・他のSNSよりも「玉石混交だが就職活動に使えそう」な情報が多いイメージを持たれがちです。

・情報の信憑性よりも量。「それっぽいユーザー」の「それっぽい助言」に惹かれる学生も多い印象です。

・ニュースアカウントなどをフォローし、志望企業名が含まれるニュース投稿などをチェックする場合もあります。

 

4)Instagram

▼主な利用アカウント

・採用公式アカウント

・就活支援アカウント

 

<解説>

・画像メインの投稿やリール動画でのプロモーションが可能なInstagramを社員紹介などに使う企業もあります。

・こうした公式情報を検索・情報収集する学生もいますが、さほど多くはありません。

・Xは情報量が多すぎると感じる学生が、Instagramの就活支援アカウントが発信する「面接で聞かれる質問集」「ES締切一覧」などを利用するケースもみられます。

 

 

5)TikTok

▼主な利用アカウント

・企業アカウント(採用以外の一般向け)

・採用公式アカウント

・就活支援アカウント

 

<解説>

・60秒程度と尺が短いため、インパクトを残せるかどうかがカギになります。

・日常の利用では短時間で流し見するエンタメの用途が強くなります

(Instagramの「リール」、YouTubeの「Shorts」なども含めにも同じことが言えます)

・TikTokは大学生よりも現在の中高生のほうが身近ではないかという声もあります。

・閲覧状況を反映した「おすすめ動画」が組まれるため、企業アカウント・採用アカウントの動画も流しやすくなります。ただし、効果を生む「印象的な動画」作成には習熟が必要でしょう

 

 

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以上、就活生によるSNS別の情報収集状況をご紹介しました。

現在、SNSを全く使わずに情報収集をする就活生は少数派だと思われる一方、求める情報が複数媒体に分散するのを「情報収集のコスパが悪い」「情報が構造化できない」と指摘する学生もいます。

複数チャネルでの情報発信と並行し、例えば採用公式サイトでは全コンテンツを構造化して提示するなど、工夫の余地があると思われます。

 


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