【10月の採用市場ウォッチポイント】


【25卒】「インターンフォロー」から「プレ選考」への設計変更

――10月以降の導線ポイント――

株式会社ピボット シニアコンサルタント 豊崎康弘


 10月を迎え、企業・学生双方ともに25卒シーズンの序盤が終わりました。

学生側は夏インターンの手応えを踏まえ、志望企業群をいったん整理した上で、大学授業に戻ります。

企業側では、出会えた学生の数とレベルに安堵し/不安を抱えつつ、今後の詳細設計に進んでいるのではないでしょうか。

 

弊社でご提供する個別相談(アドバイザリ)も、現在の主テーマは「インターン参加者フォロー」「本選考の日程設計」です。

企業様ごとのご助言にあたり、我々が基本スタンスとしている<思考・設計上の前提>をまとめました。

 

※汎用的な前提をもとに、個社様ごとの現状を踏まえたご助言(アドバイザリ)を実施中です。

 担当コンサルタントまたは以下までお問合せください。

 

(担当:豊崎)

support@pivot-inc.co.jp

080-3361-8481 / 050-3649―7671

 

 

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採用ジャーゴン(業界用語)がはらむ落とし穴

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新卒採用の現場でよく交わされる業界用語に「インターン参加者フォロー」があります。

我々も無意識に使うことが多いのですが、採用活動/就職活動のリアリティを踏まえると、企画立案上のミスリードを生みかねない<不正確な用語>だと感じられます。

 

といっても難しい話ではありません。

「フォロー施策」の名で実際に行われていること/行うべきことは<参加後のフォロー>ではなく<本選考プロセスの前段・前さばき>だからです。

 

担当者様ご自身、頭の中では暗黙に<後の選考通過者~内定者との相関>を考慮しつつ、企画を詰めているはず。

であれば、<参加者フォロー>ではなく、<プレ選考>という括り方で整理した方が生産的ではないでしょうか。

 

 

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「インターンフォロー」から「プレ選考」へ

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用語法=思考枠組みを変えるメリットは<課題解決上のモヤモヤ>が整理されることです。

ご相談の現場では、たとえば以下のようなやりとりをさせていただきます。

 

◆ご相談 インターン参加者に刺さる魅力的な施策が見つからない

◇弊社コメント

→ インターン起点ではなく、本選考開始をゴールとした逆算が必要

→ より望ましい状態で<本選考を迎えられる施策>は何か?

→ いずれ必要となる学生評価、見極めを前倒しできないか?

 

◆ご相談 インターンから本選考(3月)まで、空白期間を持ちこたえられない

◇弊社コメント

→ そもそも「空白期間を短くする」ことはできないのか? たとえば・・・

 

A)  「インターン」の時期を遅らせる

B)  「本選考」を前に倒す

C)  空白期間中に「選考要素を含む施策」を追加 など

 

 

A)は、活動早期化が進む現状では、選びにくい選択です。

早期のプログラムでは、本選考への接続をいったん諦め、「母集団形成(名簿集め)」に割り切ってしまうことも一案です。

※ただし、「選考につながるインターン」「選考要素を含む施策」は別途用意すべきでしょう。

 

B)は、インターン経由かどうかに関わらず、25卒シーズンの重要テーマです。

「インターン終了」=「プレ選考期の開始」を夏季インターンに置くならば、学生心理としては「年内には選考開始」「できれば内定まで進みたい」のが本音でしょう。

総合コンサル等の日程設計は、こうした学生心理にフィットしています。

 

※現実には、そこまでの早期化にメリットがない場合も存在します。やみくもな早期化は弊社としてもお奨めしていません。

※ただし、一部メガバンクの年内内定実施など、投入に踏みこむ企業があることも事実です。

 

C) 「選考要素を含む施策」としては、参加者限定の「プレミアム企画」などで学生をふるいにかけ、その後の優遇に差をつける形が一般的です。

 

「人的リソース」に余裕がない多くの企業では、施策追加をなるべく避けたいのが本音かも知れません。

ですが、「5日間以上のプログラム」がすでにあるならば、1) 日程を分割し、2)分割日程後半の参加には選考を課すことは可能でしょう。

 

※ 日程の分割には、学生の評価が分かれる点への考慮は必要です。

 

 

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プレ選考の手法拡張に向けて

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25卒シーズンで解禁された「インターン評価と本選考の連動」により、プレ選考期の施策投入には自由度が拡がりました。

すでに展開されている施策もありますが、多くの企業では「本選考」と結び付ける手法、踏み込みのレベルをまだまだ模索中です。

 

実地投入の施策に<落とし込む>際には、現実の諸条件に制約されるのは当然です。

であればなおのこと、我々のような外部の立場からは<制約を考慮しない極端な展開><先行事例はないものの、論理的に可能なプラン>をぶつけることも役割だと考えています。

 

*「インターン参加前の志望理由」は聞かれるのに「参加後の志望理由」はなぜ聞かれない(事後評価に使われない)のか?

*選考直結インターンを2月に投入し、間髪入れず3月に入ってはどうか?

*いっそのこと、3月以降(4月、5月・・・)にインターン名目で時間を確保し、一気に選考してはどうか? (三井物産がこれにあたります) などなど

 

弊社のアドバイザリでは、ジャスト・フィットのご助言や情報提供に限らず、「乱暴な壁打ち相手」を務めることもよくあります。

さまざまなリクエスト・お題をお待ちしております。

 


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