9/14付の日本経済新聞に、三菱UFJ銀行とみずほ銀行が店舗削減方針から転換をはかるとの記事が掲載されました。
メガバンク、店舗削減に転機 金利ある世界に備え
銀行変身 リテール戦線異状あり（下）（23/9/14付 日本経済新聞）
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB125ZS0S3A910C2000000/
新卒採用市場における金融業界、特にメガバンクの影響力は、いわゆる「大量採用」時代と比べると質的に変化しています。
支店統廃合をはじめとした業務効率化に伴う採用数の大幅減や、専門職コースの拡充等を受け、「本命業界とは別に、多くの学生が（気軽に）併願する企業」ではなくなりつつある、という認識です。
一方、DX推進によるデジタル人材の需要増を背景に、ITコンサルの採用数が激増するなどコンサル業界の存在感は高まっています。
このように、直近10年間で新卒採用市場は大きな変革が起こっていると言えます。
メガバンクの新たなリテール戦略が、今後の新卒採用市場にどのような影響を与えるのか。
手がかりの一つとして、今号では過去10年間の日系金融（3メガバンク、3メガ損保、4大生保）の新卒採用数（大卒実績）の推移を振り返ります。
※出典：各年度の「採用計画（日経本社調査）」ほか
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【24卒】採用計画（23/4/24日本経済新聞社 最終集計）
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【3メガバンク（三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほフィナンシャルグループ）】
〈概況〉
・23卒の新卒採用実績（3行合計）はピーク時の約1/5
16卒：約5200人→23卒：約1100人
・20卒以降いずれの年度でも、３行のうち三菱UFJ銀行の採用数が最も少ない
・三井住友銀行、みずほFGに関しては24卒計画が23卒実績を上回る（三菱UFJ銀行は未公表）
メガバンクの新卒採用数はいずれも15～16卒にピークを迎え、以降は毎年減少。
DX推進を背景とした支店統廃合や専門職採用の拡大等の流れを受け、店舗要員でもある一般職の廃止が進む。三井住友銀行は20卒から一般職を総合職と統合、三菱UFJ銀行も25卒から一般職相当のビジネス・スペシャリスト（BS）職を総合職に統合予定。
なお、24卒計画では三井住友銀行とみずほFGが16卒以来の増加に転じ、メガバンクにおける新卒採用抑制は一段落したと見られる。
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【3メガ損保（東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパン）】
〈概況〉
・23卒の新卒採用数（3社合計）はピーク時の約1/2
17卒：約2200人→23卒：約950人
・損保ジャパンの直近10年の新卒採用数は他2社に比べて変化幅が著しく大きい
・3社とも24卒計画は23卒実績比で大きな増減なし
3社とも16～17卒に新卒採用数のピークを迎え、以降は減少傾向（損保ジャパンのみ22卒以降増加傾向）。
直近10年間における採用実績の最大値と最小値の差は、損保ジャパンが約700人と最多で、三井住友海上の約400人、東京海上日動の約300人を大きく上回っている。
職種区分に関する近時の動きとして、東京海上日動が24年度から全社員を総合職とする新人事制度を導入することが挙げられる。
24卒は、3社とも23卒とほぼ同数の採用を計画。
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【4大生保（日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命）】
〈概況〉
・23卒の新卒採用数（4社合計）はピーク時の約1/2
17卒：約3300人→23卒：約1800人
・新卒採用数の最多は日本生命、次点に明治安田生命が続く
・4社とも24卒計画は23卒実績を上回っている
4社とも直近3年間は新卒採用数が減少傾向。
20卒までは概ね日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命の順で採用数が多かったが、21卒以降は住友生命と第一生命が入れ替わり、概ね日本生命、明治安田生命、住友生命、第一生命の順となっている。
なお、24卒計画は、いずれも23卒実績を上回っており、日本生命は1.2倍増（23卒：約650人→24卒：約800人）、第一生命は1.6倍増（23卒：約280人→24卒：460人）と大幅増を予定。主にはいわゆる「総合職」ではなく「営業職」「業務職」の採用増による。
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