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【2025年総括】再確認すべき5つの大前提<前編>


 

STUDENTS'REPORTご助言担当:豊崎(シニア・コンサルタント)

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<前編>
【ポイント1】 採用を「振り返れない」問題

上流設計なき「DOの連打」へ

 

【ポイント2】 曖昧なままの「〇〇人材」

要件定義なきターゲット論

 

【ポイント3】 職種別・コース別採用は次のフェーズへ

導入後に顕在化する「各社各様の問題」

 

<後編>

【ポイント4】 「AI」が引き起こす選考プロセス再編

 

【ポイント5】 再度脚光を浴びる「採用ブランド」の虚実

 

【まとめ】 手元の問題に飛びつく前に

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【ポイント1】 採用を「振り返れない」問題

上流設計なき「DOの連打」へ

 

ここ数年、採用に関するご相談は「今シーズン」ではなく「その次のシーズン」に言及するものが増えています。

例えば現在(12月)、お打合せの8割程度は【28卒】に関わるもの。この状態が3月ごろまで続きます。

そして、いったん手を付けた「戦略・上流設計」は生煮えのまま、5月頃からは「選考日程」などの実務に関する打合せにシフトします。

 

採用の早期化&長期化により、

•想定を十分に置かないまま実行が始まり

•実行途中で部分的な修正を重ね

•振り返りが次の設計に十分還元されない

という悪循環を生んでいます。

 

そしてこの構造が、以下で扱う

・人材要件の具体化

・採用コース・職種の見直し

・選考手法の現代化・AI対応

にも悪影響を及ぼしています。

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【ポイント2】 曖昧なままの「〇〇人材」

人材要件なきターゲット論

 

【ポイント3】にも繋がりますが、すでに多くの企業が「職種別・コース別採用」を実装済です。

あるいは「デジタル人材」「グローバル人材」などの呼称で「強化すべき学生」が記載されています。

 

しかし、ほぼ全てのご相談で「〇〇人材」の具体像は曖昧です。「複数の人材像が混然一体」「担当者によりイメージがバラバラ」な状態もごく一般的。

•市場や他社で広く使われている呼称を踏襲したもの

•便宜的にラベルを付けただけのもの

が放置されています。

 

そのまま採用実務に流し込まれた結果、

•採用側と事業部で人材像の認識が揃っていない

・面接官ごとに評価の軸がばらつく

・「採った人材を、どう活かすのか」が後付け

といった事態を引き起こして終わります。

 

要件固めの時間も、人員も足りないとはいえ、シーズン初動の時期に、以下のような前提を採用チームとして固め直すことを強くお勧めします。

・どのような職務・業務を担う存在か

・必要な能力・資質は何か

・選考視点として、ES・面接のどこで見きわめるか

 

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【ポイント3】 職種別・コース別採用は次のフェーズへ

導入後に生じた「各社各様の問題」

 

前述の通り、職種別・コース別採用の導入は一巡した感があります。

当初は「一括採用では採れない/接触できない学生の確保」に向け、コースの分割そのものが主テーマでした。

しかし今年、論点は明らかに次の段階へ移っています。

いま多くの企業が直面しているのは、職種・コース分けが「効果を上げたか」に対する検証と改善ですが、ここで多くの企業が壁にぶつかっています。

 

その要因は(ニワトリと卵ですが)、そもそも人材要件がはっきりしていない点にあります。

ご支援しているほとんどのケースでも、この段階で改めて「そもそも採るべき人材は誰か」の議論が再燃します。

 

一方、すでにコースは細分化しているため、学生/企業双方の「マッチング工数」は増大します。

学生から特に聞かれるのは「コース別・職種別採用離れ」の声。志望に併せてコースを選べるはずなのに「細分化されすぎてよく判らない」「専門性で採用される自信がない」など、オープンコース志望に逆戻りする傾向が、上位校学生でも顕著です。

 

以上、今号では3つのトレンドに触れました。

すべて個別施策を考える以前の要件であるにも関わらず、充分に吟味されない/できない構造が続いています。

 

貴社はいかがでしょうか。

28卒シーズンの本格化前に、少しでも議論・検討に着手されることをお勧めします。

 


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