STUDENTS'REPORTご助言担当:豊崎(シニア・コンサルタント)
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<前編>
【ポイント1】 採用を「振り返れない」問題
上流設計なき「DOの連打」へ
【ポイント2】 曖昧なままの「〇〇人材」
要件定義なきターゲット論
【ポイント3】 職種別・コース別採用は次のフェーズへ
導入後に顕在化する「各社各様の問題」
<後編>
【ポイント4】 「AI」が引き起こす選考プロセス再編
【ポイント5】 再度脚光を浴びる「採用ブランド」の虚実
【まとめ】 手元の問題に飛びつく前に
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【ポイント1】 採用を「振り返れない」問題
上流設計なき「DOの連打」へ
ここ数年、採用に関するご相談は「今シーズン」ではなく「その次のシーズン」に言及するものが増えています。
例えば現在(12月)、お打合せの8割程度は【28卒】に関わるもの。この状態が3月ごろまで続きます。
そして、いったん手を付けた「戦略・上流設計」は生煮えのまま、5月頃からは「選考日程」などの実務に関する打合せにシフトします。
採用の早期化&長期化により、
•想定を十分に置かないまま実行が始まり
•実行途中で部分的な修正を重ね
•振り返りが次の設計に十分還元されない
という悪循環を生んでいます。
そしてこの構造が、以下で扱う
・人材要件の具体化
・採用コース・職種の見直し
・選考手法の現代化・AI対応
にも悪影響を及ぼしています。
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【ポイント2】 曖昧なままの「〇〇人材」
人材要件なきターゲット論
【ポイント3】にも繋がりますが、すでに多くの企業が「職種別・コース別採用」を実装済です。
あるいは「デジタル人材」「グローバル人材」などの呼称で「強化すべき学生」が記載されています。
しかし、ほぼ全てのご相談で「〇〇人材」の具体像は曖昧です。「複数の人材像が混然一体」「担当者によりイメージがバラバラ」な状態もごく一般的。
•市場や他社で広く使われている呼称を踏襲したもの
•便宜的にラベルを付けただけのもの
が放置されています。
そのまま採用実務に流し込まれた結果、
•採用側と事業部で人材像の認識が揃っていない
・面接官ごとに評価の軸がばらつく
・「採った人材を、どう活かすのか」が後付け
といった事態を引き起こして終わります。
要件固めの時間も、人員も足りないとはいえ、シーズン初動の時期に、以下のような前提を採用チームとして固め直すことを強くお勧めします。
・どのような職務・業務を担う存在か
・必要な能力・資質は何か
・選考視点として、ES・面接のどこで見きわめるか
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【ポイント3】 職種別・コース別採用は次のフェーズへ
導入後に生じた「各社各様の問題」
前述の通り、職種別・コース別採用の導入は一巡した感があります。
当初は「一括採用では採れない/接触できない学生の確保」に向け、コースの分割そのものが主テーマでした。
しかし今年、論点は明らかに次の段階へ移っています。
いま多くの企業が直面しているのは、職種・コース分けが「効果を上げたか」に対する検証と改善ですが、ここで多くの企業が壁にぶつかっています。
その要因は(ニワトリと卵ですが)、そもそも人材要件がはっきりしていない点にあります。
ご支援しているほとんどのケースでも、この段階で改めて「そもそも採るべき人材は誰か」の議論が再燃します。
一方、すでにコースは細分化しているため、学生/企業双方の「マッチング工数」は増大します。
学生から特に聞かれるのは「コース別・職種別採用離れ」の声。志望に併せてコースを選べるはずなのに「細分化されすぎてよく判らない」「専門性で採用される自信がない」など、オープンコース志望に逆戻りする傾向が、上位校学生でも顕著です。
以上、今号では3つのトレンドに触れました。
すべて個別施策を考える以前の要件であるにも関わらず、充分に吟味されない/できない構造が続いています。
貴社はいかがでしょうか。
28卒シーズンの本格化前に、少しでも議論・検討に着手されることをお勧めします。
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