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1月の採用ウォッチポイント 今からできる!受験~内定者「口説き落としのキーワード強化」


 

1月の採用ウォッチポイント

今からできる!受験~内定者「口説き落としのキーワード強化」

 株式会社ピボット 代表取締役/ブランドコンサルタント 西山亜矢子

 

 

◆内定出し 今後の見込み

年末~年初にかけて、ES日程を告知する企業が相次ぎました。すでに受付を開始した企業、1月中に初回締切を迎える企業も珍しくありません。26卒採用はすでに本格的な「選考フェーズ」に入りました。

今後、早期枠では2月末~3月初頭の内定出しに進むと思われます。また、多くの企業では「内定総数の過半数以上」を「3月中~4月初頭」に固めることになるでしょう。

 

◆事後フォローの限界

内定出しの早期化=内定後の辞退リスクの長期化を意味します。

しかし正直なところ、「事後フォローによる引き留め」には限界があります。そのため、一つ前の段階である「面接期間中~内定前後のクロージング(口説き落とし)」が重要になります。

今号では、今からでも可能な「キーワードのチェック&強化ポイント」をご紹介します。

 

◆口説きトーク(キーワード化)の前提

既存イメージを今から付け替える訳にはいきません。すでに使ってきたアピール材料を「口説き落としのキーワード」へとブラッシュアップさせていきます。

なお、わかりやすさを担保するために、以下の点にも留意が必要です。

 

 1.Z世代の学生コミュニケーションに沿うこと

 2.志望度が低い/企業理解の浅い学生にも伝わりやすいこと

 3.若手リクルーターにも使いこなせること

 

 

◆ブラッシュアップの手順

 1. 初期広報などで使っている「強み(ファクト&トーク)」を列挙

 まずは、分類などを気にせず、思いつくままに挙げていきます。多すぎても作業負荷が高くなるため、数個~20個程度でOKです。この段階で「個々のキーワードから受ける印象(プラス/マイナス両面)」を若手社員などの第三者にヒアリングできるとベターです。

 

 2. フレームを使って分類

 リストアップしたキーワード群を、任意の分類視点(フレーム)でカテゴライズします。自社としてこだわりがあっても伝わりにくそうな用語は除外するなど、シンプルにまとめましょう。

なお、使いやすい分類視点(フレーム)の例は後段で紹介します。

 

 3. 個々の強みをキャッチコピー化

 エッセンスが記憶に残るよう伝えるために、文言を限界まで絞り込みます。今の学生は長文を読み慣れていないため、短くても結論が伝わるようにします。

 

 

◆キャッチコピー化の実例

実際にある企業が採用したキャッチコピーを(文言をアレンジして)ご紹介します。

この事例では、以前から使ってきた用語の印象を就活生からヒアリングし、適切な枠組み(マクロ視点~ミクロ視点)に沿って分類し、キャッチコピーに仕立て上げました。

 

<ブラッシュアップ後>

 ・産業・事業 → ●●業界は社会のインフラ

 ・フィールド → 日本に立脚し、パートナーとして世界に伴走

 ・業務・仕事 → 経営を支える専門領域のコンサルタント

 ・ワークスタイル → 専門家チームの司令塔

 ・マインド・セット → 挑戦する意志とともにある

 

いったん整理しておけば、個々の内容は「具体的な案件」「制度」「仕事エピソード」などで補うことができます。キャッチコピー自体は方向性を示せればOKです。

 

<ブラッシュアップ前>

もともとこの企業では、以下のような説明を行っていました。

改善にあたり、学生が受けた印象と併せ記します。

 

 ・「●●業界は社会を下支えする」 → イニシアチブが取れない感じ?

 ・「国内中心に祖業を展開」 → ドメスティック? 成長市場を望めない?

 ・「シェア競争の中で首位を守る」 → 消耗戦?

 ・「先行者利益で堅固な経営基盤」→ 保守的で若手の貢献は難しい?

 ・「クライアントの経営課題を解決」→ 魅力的に映る

 ・「SDGs」「海外での社会貢献」 → 本業とは無関係 など

 

 

◆分類に使うフレーム例

分類に使いやすいフレームは以下の3つです。目的に最も適したフレームを選択してください。

 

 1. ビジネス構造(マクロからミクロまで)

 企業や競争環境の特性を問わず使える、汎用的なフレームです。

 

 2. 競合企業との比較

 競合先と重複内定した学生が入社/辞退理由として挙げがちな視点を用います。

 例:商社との競合が気になる場合

  ・海外勤務

  ・事業経営/創造

  ・マルチクライアント

  ・市場対応力

  ・ビッグビジネス

 

 3. ターゲット学生の志向性

 採用ターゲットが「第一本命の志望理由」として挙げがちな点をフレームとして使います。

 選考~内定時の「口説き」よりも、広報~応募時のブランディングを目的とした強みの整理に用いるフレームです。

 例:ターゲット学生が外資金融・コンサル志望の場合

  ・早期成長

  ・人的市場価値(あるいはポータブルスキル)

  ・裁量権

  ・待遇

 

 

「キーワード強化」は、作業内容はシンプルですが適切なワード選びが難しい(正解を見出しにくい)作業でもあります。第三者目線での評価、ご助言も行っていますので、気がかりの企業様はお問合せください。

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