23卒の傾向から予測する「24卒の内定時期」
株式会社ピボット 代表取締役/ブランドコンサルタント ⻄山亜矢子
例年の傾向として、大手企業の内定時期は「前年比プラスマイナス2週間前後」に着地します。
したがって、「前年の内定時期の傾向がどうであったか」を見ることで、おおよそ今年の内定時期を推測することができます。
以下、「2月以降にも内定出しを行った主要企業75社102コース」の内定時期の傾向をご紹介します。
※選考ステップの呼称に囚われず、SR編集部判断で「実質的な合否判断をしたと思われる選考ステップ」を内定出し時期として扱いました
※2月〜6月の内定出しについて、コース単位で集計を行いました。
▼月別で見た傾向「最多は5月の内定出し」 ※( )内は22卒
23卒の最多は4月の27.4%、次いで5月が26.6%です。
22卒の最多は5月、次が4月でしたが、逆転しました。
5月の内定出しの減り幅が最も大きく、22卒より6.1%減です。
一方、増加幅が大きかった順に、2月(4.3%増)と3月(2.4%増)となっており、前倒し傾向が鮮明です。
6月は23.4%のうち「半分以上は最終面接・内定出し・意思確認のみ」を行っており、「実質的な選考は5月以前にほぼ終えていた」のではないかと見られます。
2月 7.3%(前年度3.0%)
3月 15.3%(12.9%)
4月 27.4%(26.7%)
5月 26.6%(32.7%)
6月 23.4%(24.8%)
▼3〜5月を上・中・下旬単位で見た傾向「最多は4月下旬の内定出し」 ※( )内は22卒
上・中・下旬単位で見た場合、23卒内定出しの最多は4月下旬の16.1%、次いで5月下旬の12.9%です。
全体としては「4月が内定出しの主軸となってきた」印象ですが、22卒比で最も増加したのは3月下旬(4.0%→9.7%)です。
ただし、3月下旬に内定出しを行った企業の多くが、4〜6月にも内定出しの山を持っており、単純な早期化とは言えない面もあります。
3月上旬 0.8%(4.0%)
3月中旬 4.8%(5.0%)
3月下旬 9.7%(4.0%)
4月上旬 2.4%(6.0%)
4月中旬 8.9%(5.0%)
4月下旬 16.1%(14.9%)
5月上旬 5.6%(5.0%)
5月中旬 8.1%(13.9%)
5月下旬 12.9%(13.9%)
▼24卒の見通しとその観点
24卒も、内定出しの山が分散する傾向が続くと予想されます。
したがって「どの競争相手(企業・業界)に対抗しようとするか」によって、選考日程設計の戦略(時期の選択)は変わります。
競争相手別の対抗方法は以下のようになると思われます。
(1)テック系人気企業の内定者や大手事業会社デジタル部門の応募者を取り合う: 3月末までに内定出し(※)
(2)外資の内定者を取り合う: 3月末までに内定出し(※)
(3)民間金融と応募者を取り合う:3月末までに内定出しができるタームも備えた上で、幅広な選考ターム(例えば最終内定出しは5月末〜6月頭など)を設定する
(4)主要なメーカーの応募者を取り合う:〜4月下旬、遅くとも5月中旬までに内定出し
(5)三井物産以外の商社と応募者を取り合う:5月中旬〜6月頭の応募者・内定者フォローを強化する/実力が拮抗していれば同時期に選考のピークを持ってくる
(※)可能であれば2月までに内定を出せるタームも備えたい
対抗したい主要な競争相手(となる業界)が複数ある場合は、「複数の内定出しの山を持つ選考戦略」を採ることになります。
山が複数になると、採用チーム(および協力社員)の動きは複雑になり、工数も増加します。
内定者の効率的な確保のために、誰にどう対抗するかを明確にし、適切な山を選択なさってください。
【本資料に関するお問合せ】STUDENTSʼREPORT編集部support@pivot-inc.co.jp|050-3649-7671
©株式会社ピボット「STUDENTSʼREPORT」は株式会社ピボットの著作物です。会員以外の閲覧および無断転送、複製、転載はご遠慮ください。