「内定出しから出会いを逆算」「広報効果の賞味期限を意識」など
学生に途中離脱されない採用プロセス設計のコツ
株式会社ピボット 代表取締役/ブランドコンサルタント ⻄山亜矢子
早くも夏のインターンが一段落するタイミングとなりました。
近年、早期の採用施策が活性化している一方、「早期接点が内定どころか応募にもつながらない」というお悩みも増えています。
今回は、こうしたお悩みに対して、アドバイザリーの場で私がお伝えしている内容をご紹介します。
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▼「出会いから4ヶ月程度で内定受諾まで至る」設計が理想
スタートの早い企業に応募者を奪われた経験は、多くの方がお持ちかと思います。
では、採用活動時期を早くすればするほど、応募者確保の勝率が上がっていくのかと言えば、全くそうではありません。
出会いを早めたことを採用上の成果につなげるには、「広報施策などによる本格的なファースト・コンタクトから、選考・内定出しまでの期間を4か月くらいにおさめる」のが理想です。
延ばしても6ヶ月程度におさめたいところです。
(採用プロセスの設計をお手伝いをしてきた経験からの数字です)
外資系企業の学生囲い込み力は、接点の早さよりも、内定出しまでの期間の短さが効いています。
接点と同時に内定出し時期を早めることができないのであれば、期間が間延びするデメリットの方が大きく出てしまいます。
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▼就活生のマインドシェアにおける「広報効果の賞味期限は2ヶ月程度」
学生のレビュー回答をデイリーで観察していると、「新しい出会いにより、毎日のように志望度が塗り替えられていく」さまを目の当たりにします。
一週間に3回くらい(その場の気分としては)第一志望が変わり、驚愕します。
特に、採用中盤期(冬頃)以降はこの傾向が顕著です。
「自社としても肝入りの施策で、目の前の学生に深く刺すことができた」と感じても、2ヶ月程度しかもちません。
接触から2ヶ月以内にはフォローアップを入れていく必要があります。
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▼フォローで大切なことは「進展感の演出」と「カスタムな対応」
フォローは少なくとも応募・選考開始までは続けなければならないため、出会いから応募までのインターバルが長いほど、頻回なフォローが必要になります。
しかし、頻回なフォローは「(主催側の)ネタ切れによる(学生側の心理的な)停滞感」を生みやすくなります。
「採用のステップがいつまでたっても進んでいかない(ように見える)」ことが、停滞感の最大の原因です。
都度のフォローの品質も大事ですが、それ以上に「回を重ねるごとに前進していると感じさせる演出」の方が重要です。
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▼24卒特有の「就活面倒くさい感」を回避する工夫が求められる
24卒固有の事情としては「『面倒くさい』が応募者の主要な離脱理由(の1つ)となる可能性」を懸念しています。
24卒は(学部生ならば)入学時から大学3年の初期までオンライン生活が続き、効率的な生活に適応していました。
それがここへきて急に授業がオフラインに戻り、就活生としてはむしろ22-23卒よりも空き時間が少なくなっています。
「昨年と同じペースで採用活動を行っても、ついてきてくれない」可能性があります。
一方で、オフラインを望む気持ち(憧れのようなもの)も持っているため、「採用(就活)参加に要する総量をコントロールしつつ、決め所でオフラインを使う」バランス設計が求められます。
こうした24卒の心理変容については、SR編集部でも特に注視していく予定です。
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