<金融業界動向の解説>
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▼採用上のブランドポジション(人気・併願傾向等)
・引き続き他業界のトップ企業と併願されるポジションであり、昨今の学生の企業選択基準である「就活偏差値」の上位に君臨。政府系金融との競合は弱くなる傾向。
・「とりあえず誰もが受ける」という対象ではなくなっている。早い段階で(明確な意図・意思のもとに)商社を受験対象から外す学生も一定存在。
・「選考進捗で先行する他社からの内定を受け、(当初は志望していた)商社の受験を断念する」ケースが少なくない。
その一方で、非常に早い段階でコンサルや外資系企業の内定を得た学生が「入社の意志を固めきれなかったことで、(当初は志望していなかった)商社の受験を再検討するに至る」パターンも見られる 。
・トップ学生の商社志望は三大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事)に集中。「二大商社+伊藤忠」という言い方をする学生もいる。
・「体育会で陽キャでないと(商社には)入社できない」という固定観念が広まっている懸念がある。
・「BtoCビジネス/マーケティングに強い商社」 の象徴が、主にインターンの影響により、伊藤忠商事から三井物産に移行しつつある。
・「ビッグスケールなBtoBビジネス」の学生に対するブランドパワーが(商社に限らず)全般的に低下しており、そのことは商社ブランドに対しても強いマイナスに働いている。
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▼採用スケジュール
・三大商社のうち、三井物産と伊藤忠商事が早期の内定出しを実施。
冬〜早春までに実施したインターンからは、春先には内定出し(参加者全員に対する内定出しではない)。
・「6/1以降に最終面接や意思確認の実施」「早期内定は特定のルートもしくはコースのみ」といった体裁を保ちつつも、商社でも「6/1以前の選考〜実質的な内定出し」へと強く傾く。
三菱商事と住友商事は例年通り、6/1に1次選考開始のルートを維持。
・6/1に選考開始する企業を含め、6月第1週(月初)には内定出しが始まるスピード選考は例年同様。
昨年までは選考ステップ間にインターバルがあった丸紅の「オープン採用」も、23卒では他社同様のスピード選考となった。
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▼選考プロセス・手法
・インターン経由の内定出し(比率)は増加する傾向。
・三井物産では、インターン参加を本選考参加の条件(入口)とした。
より早期に実施する専門性を特定したインターン3種(マーケティング、DX、修士・博士課程向け)と、3〜5月に実施するオープンインターンがある。
参加後の座談会イベント→インターン通過者に対する6/1〜に最終面接→6/2以降の懇親会や本社呼び出し等、(内定受諾の)クロージングプロセスにも隙がない。
・商社独自の設問傾向として、ESでは「学生の人柄を探ることに特化したもの」が目立ち、企業理解を求める質問は最小限あるいは求めないこともある。
住友商事では、一般的なES(ガクチカや志望動機等)は求められない。
・三菱商事がPR動画の選考を取りやめるなど、面接前のスクリーニングには試行錯誤が見られる。
・6/1にオンライン面接ツールharutakaに不具合が発生し、利用企業では即時の対応が必要となった。三菱商事は、面接時間を後ろにずらす、zoomによる面談に切り替える等で対応。
(なお、オンライン面接ツールharutakaは昨年の同時期にも不具合が発生している)
・最終面接は基本的に対面で実施。豊田通商のみ全ての面接をオンラインで実施 。
・三菱商事と三井物産は引き続きケース面接を実施。
設問やフィードバックの傾向を観察すると、コンサルのケース面接評価がMECE・ロジックの整合性を重視しているのに対し、商社のケース面接では社会やビジネスに対する感度の高さ、実現可能性の高い施策の構築力を重視していると見られる。
「トレンドリーダー57社の選考」にも、金融・サービス・メーカー業界も含めた4業界の動向解説を掲載しています。
選考ケースと併せ、ご活用ください。
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